2010-01-01から1年間の記事一覧

ウッドストック行最終バス

これを読んだのはかなり前だと思うけども感想を書いてなかった。「キドリントンから消えた娘」と同じ作者で感想もほぼ同じ。ウッドストック行最終バス (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: コリンデクスター,大庭忠男出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1988/11/01…

10ドルだって大金だ

私の短編小説への評価は、つまるところ星新一を越えるか越えないかだということに最近気がついた。もちろん星新一の作品は数が多い(1000編以上!)ので、どれか1つということは言えないし中には大して面白くない話もあるんだろうけども、それは忘れているだ…

狗神

40代にさしかかっていろいろと人生を諦めていた女性が、突然現れた男性と恋に落ちたらさあ大変、悲劇のはじまりだ!という話。 もともと怪しい話が好きな私は犬神筋について知りたいと思っていたのだが、その関連で見つけた本。といっても結構有名な小説らし…

皮膚の下の頭蓋骨

ミステリにおいて、悪は必ず露見し成敗されるものと相場が決まっている。そうでなければ探偵がするどい推理を披露して事件を解決することができないからだ。が、この作品における悪は成敗されない。したがってミステリ的にはスッキリしない。全くスッキリし…

2010年に読んだ本

このところ忙しかったので読んだ本がたまっていたのだが読んでいない本はもっとたまっている。積読はお楽しみが用意されているということで何度眺めても楽しいのだけども、やはり本は読まなければ面白さがわからないので次回の船便で送ってもらう本は少なめ…

ハワイから帰ってきた理由

うちのお店に来たことがある人はご存知かもしれないが、レジ係にエルマというおばちゃんがいる。いつも不機嫌でやたらと気が強く、誰に対しても強く話すので他の従業員から煙たがられる存在だが、日本人には優しい肝っ玉母さんである。 先月、そのエルマがハ…

Houd Dog Taylor & The Houserockers

Hound Dog Taylor "Wild About You Baby"ブルースを聴いていてファンキーさを大事にしたい向きにはHound Dog Taylorは外せない。Elmore Jamesのスライド・ギターの系譜を継ぐと言われているけども、相当に進化させているというか、彼の荒削りで激しいスライ…

闇に踊れ!

スタンリイ・エリンの長編小説。引退した教授がテープレコーダーに語りかけている。 わたしの名はカーワン。白人、男性、引退した歴史学準教授。今はテープレコーダーに向かって語りかけている。わたしは末期的な肺癌患者である。余命は数ヶ月。だが、その数…

今日出航の予定が明日に変更と思ったらやっぱり今日?

現在わが社では某組織の援助によりウォッジェ環礁にちょっとした建物を作る、というプロジェクトがあり、紆余曲折はあったものの、ようやく資材をウォッジェ環礁に送る、という段になった。運搬手段はもちろん船。資材はブロック・セメントなどかなりの量に…

偽のデュー警部

莫大な財産を持つわがままな妻リディアに疲れた歯科医ウォルターが、元・患者の不倫相手アルマと共に邪魔なリディアを片付けてしまおうと完全犯罪を企てるミステリ。豪華客船に乗船する際に偽名を使う必要があったため、クリッペン事件を念頭に置いていたウ…

amazonから43枚目

CD

FEELS LIKE HOMEアーティスト: NORAH JONES出版社/メーカー: Blue Note Records発売日: 2004/02/27メディア: CD購入: 4人 クリック: 70回この商品を含むブログ (138件) を見るタイニイ・バブルスアーティスト: サザンオールスターズ出版社/メーカー: ビクタ…

ボールペンを1本買ったら3本送られてきた話

日本からの船便が、少し遅れはしたものの無事到着。最近はハルカさんも親の興奮が伝わるのか、荷物が届くと「早く開けてー!」と叫んでいる。新しい絵本やおもちゃが入っていることを知っているようだ。プレゼントなどが入っている場合はなんとかして気を逸…

幕末維新秘史

幕末のあまり有名でない話を紹介する本。有名でないのは有名でないなりの理由があるわけで、市井の話であったり有名人の異聞であったり奇談であったり、さらっと読んであとに残らず楽しめる話が多い。ただ話によっては出典が明らかでないので真偽の程は怪し…

上手なまゆげの使い方

マー人は怠惰である。 横着、といった方があってるかもしれない。とにかくマーシャルで生活したことがある日本人ならば、この意見に反対する人はおそらくいないだろう。とにかく体を動かすことを嫌がる。 その究極とも言えるのがまゆげの使い方で、彼らは人…

Blue Monday

反応は薄い、というか無いにもかかわらず、動画を貼るのが意外と楽しいことに気がついた。更新するべきものが無い日のネタを見つけた、と言ってしまえば身もフタも無いが、昔から日本には「枯れ木も山のにぎわい」という良いことわざがあるじゃない。 という…

サマーナイト

監督:ウディ・アレン(1982 米) 出演:ウディ・アレン、ミア・ファロー、メアリー・スティンバーゲン、トニー・ロバーツ 内容:ニューヨーク郊外のある夏の夜 しばらく前に買ったDVDをようやく見た。映画自体は久しぶりで2回目。シェイクスピアの『夏の夜…

スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師

監督:ティム・バートン(2007 米=英) 出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム・カーター、アラン・リックマン、サシャ・バロン・コーエン 内容:都市伝説の映画化 しばらく前に買ったDVDをようやく見た。私の苦手なミュージカルであることをまったく知ら…

Mess around

YoutubeでDr. Johnが『Mess Around』を弾いているのを見つけた。カメラは指の運びが良く見えるように映しているのでHow toものなのかもしれない。 Dr. Johnはニューオリンズのピアノ弾きで、曲が良いのか弾き方が良いのかよくわからないが私にはこの人のピア…

アタマのお葬式

マジュロの大酋長アタマ・チトキアが亡くなった。アタマさんは首都のあるマジュロ環礁他いくつかの環礁の大地主(マーシャル語でイロイジという。アタマは女性だからレロジという)で、初代大統領のいとこで、なおかつ現大統領の母親でもある。つまりこの国…

11の物語

かたつむりへの偏愛が端々に見られる短編集。著者であるパトリシア・ハイスミスはその著作『見知らぬ乗客』がヒッチコックによって映画化されてもいる作家らしい。ちなみにwikipediaによれば趣味はかたつむりの観察。 面白かったのは、自分がいかに感謝して…

第二の顔

ある日突然顔がハンサムになってしまった男の話。なんとなく同じフランスの映画『奇人たちの晩餐会』を思い出した。 全体的に面白いんだけども、結末の解釈がなんともいえない。鍵となるのは最後のエピソードにおける妻の反応で、妻が夫の友人の家に行きたく…

レギュラーの回答

先日の「ハワイから持ち込まれたサンダルの返品」について、レギュラー店員の二人(オティアとマイネン)に質問してみたところ、二人とも「他の店で買ったものは返品できるわけないじゃん」との回答が。さらに「うちの店で買ったんならレシート見せろ、と言…

驕れる白人と闘うための日本近代史

日本人の著者がドイツ人向けにドイツ語で書いてドイツで出版した本の邦訳。 短くまとめれば、日本が短い時間で近代化を成し遂げることができたのは鎖国をする間にすでに下地ができていたからであり、欧米がやさしく指導したからではなく、むしろ帝国主義に騙…

ハワイで買って、マジュロで交換?

うちの売れ筋商品でスコットサンダルというものがある。見た目は何の変哲もないハワイ発のサンダルなのだが、ソールが硬く、珊瑚ばかりのマーシャルの海を歩くのによいとかで大人気商品となっている。まあ実際はハワイでかなり一般的に広まっているようなの…

残酷な方程式

表題作など16編を収録したロバート・シェクリィの短編集。 何度も同じことを書いているような気もするが、私にとって短編小説を楽しめるかどうかは、前提となる世界をすんなりと理解できるかどうかが重要らしい。おそらく舞台があまりにも現実とかけ離れてい…

歴史を考えるヒント

網野善彦の講演を文章化した連載をまとめた本。さまざまな言葉の成り立ちをきっかけにして歴史を考える。「『日本』という国名」から始まり「列島の多様な地域性」「地域名の誕生」など興味深い話が目白押し。被差別民・無縁等の著者のテーマもわかりやすく…

24 hours for cold liquids

昨日の話。 従業員フキコが珍しく神妙な顔をして、最近入荷したステンレスボトルを私のところへ持ってきた。曰くお客さんが怒っているという。箱には「24 hours for cold liquids」と書いてあるのに、冷たい飲み物を入れて3時間で温くなったのはどういうわけ…