2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧
監督/脚本:園子温(2008 日) 出演:西島隆弘、満島ひかり、安藤サクラほか 内容:クリスチャンの盗撮王子がマリア様の愛を取り戻す。www.youtube.com主人公たち3人が3人とも抱えている「愛に飢えている」という共通点が、それぞれ「盗撮」「宗教」「同性愛…
2012年に読んだ東大寺正倉院に収められた御物の出自を徹底的に調べた本。 正倉院の御物と言えば奈良時代の宝物が収められているものと学校では習うが、その実、収められているものの全てが奈良時代のものというわけではなく、増減を繰り返しているという事実…
2012年に読んだブリジット・オベールの推理小説。 マーチ博士の家には上品な妻と自慢の4人の息子が暮らしているが、メイドのジニーが見つけた日記には4人の息子のうちの一人が殺人鬼であることを示す証拠があった・・・。マーチ博士の四人の息子 (ハヤカワ文…
2012年に読んだカズオ・イシグロの長編小説。 「提供者」を介護する「介護人」である主人公による過去の回想。主人公たちが育ったヘールシャムの施設を中心に、友達との思い出、隠された秘密などが語られる。秘密周辺の話に違和感を感じながらも読みすすめて…
2012年に読んだアゴタ・クリストフの長編小説。 戦火を避けて祖母の家に疎開してきた双子の兄弟が書いた日記、という体で、生生しい戦時下の人々の姿を覗くことが出来る。兄弟に関わる登場人物はみな一癖も二癖もあるが、非常時をギリギリで生きている。続き…
2011年に読んだ出久根達郎による夏目漱石の書簡紹介。 今に残る漱石の書簡は著者の「人生の教師」であるという。『私の個人主義』で読むことの出来る講演もそうだが確かに漱石の言葉はくだけていてユーモアに富んでおり読んでいて飽きることがない。明治の文…
2011年に読んだお金を盗んだ逃走中の女が、立ち寄ったモーテルで殺された、というロバート・ブロックの小説。驚きの真相が重要なサスペンス。私の場合は映画を見てからかなり時間がたっていたせいか、最後まで真相に気がつかずに楽しめた。気ちがい (1960年)…
2011年に読んだサラ・ウォーターズのミステリ。 泥棒の娘が金持ちの娘の財産を横取りしようとお城に乗り込む話。20世紀初頭、同性愛、二転三転する話という点では『半身』と同じだが、主人公の一人が下町娘なのでその分勢いがある感じはするので読みやすいか…
2011年に読んだロバート・ゴダードのミステリ。デビュー作にしてたぶん一番面白い作品。 主人公は問題を起こして教職を追われた歴史学者。その彼が友人に呼ばれて訪れた先で、アスキス内閣の内務大臣まで務めた青年政治家が2年で失脚した謎を追え、という依頼…
今年は見た映画29本(アンパンマンとプリキュアは除く)、読んだ本86冊(73作)。CDはほとんど買わなかったなあ。去年はどのくらいだったかなと去年の日記を見たら、去年はビキニに行ったりで忙しかったようです。というわけでここ2年間で読んだものの中から…
中島らもの長編冒険小説。 私が読んだ文庫本は3冊に分かれており、前編が妻の宗教騒動、中篇がアフリカの旅、後編が決着、とわかれていて、全編・中篇は面白かったけども後編は少しドタバタが過ぎるような。ただとんでもない話なのでとんでもない決着になる…
浅田次郎の長編歴史小説。6年前に問芝君にもらった本。 清朝末期、郷紳の家に生まれた梁文秀は科挙に合格し官吏となり、その才能を見込まれて、衰えた清朝を立て直そうとする「変法派」の中心となる。その弟分の李春雲は貧しい出自ゆえ自ら宦官となり宮廷に…
町田康の長編小説。 河内音頭のスタンダードナンバーで、実際に起きた大量殺人事件『河内十人斬り』を題材にした傑作。 主人公の熊太郎は、幼い頃に感じた社会とのギャップにより本音を他人に話せなくなる。現代ならば中二病と言って言えなくもない、どの時…
監督:李闘士男(2008 日) 出演:松山ケンイチ、加藤ローサほか 内容:おしゃれなポップを好きな男がヘヴィメタルで人気に。 原作の漫画を少し読んだけど、そんなに面白くなかった。映画は主演の人が楽しそうだった。映画にする必要はないと思う。デトロイ…
監督:松尾スズキ(2004 日) 出演:松田龍平、酒井若菜ほか 内容:石で漫画を書く人とコスプレイヤーの恋愛。 忌野清志郎をはじめいろんな人がいろんなところに出ていたので、それを見つけるのは面白かった。みんな楽しそうで。映画そのものはそんなに面白…
監督:西川美和(2006 日) 出演:オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀ほか 内容:吊り橋の上で起きた出来事 故郷を離れた弟と、地元で実家の店を切り盛りする兄、そしてその店で働く幼馴染が再会。3人で遊びに行った先の渓谷にかかる吊り橋から、幼馴染の女…
アゴタ・クリストフの長編小説。 戦火を避けて祖母の家に疎開してきた双子の兄弟が書いた日記、という体で、生生しい戦時下の人々の姿を覗くことが出来る。悪童日記というタイトルは邦題なのでこんなこというのも意味がないかもしれないが、「悪童」である双…
D・M・ディヴァインの長編推理小説。 ジゴロが一攫千金に向けて気の強い美人令嬢を口説く、その目的は何か?という導入はあまり楽しいものではないが、サスペンス的な前半。視点を変えて推理小説的な後半。そこそこ面白いんだけども、あんまりぱっとしなかっ…
雑誌・新青年の傑作選。新青年というのは江戸川乱歩がデビューした雑誌で、昭和初期、普通の小説に飽きた人たちから支持があったらしい。収録作品は以下。知っている人もいれば知らない人も、おもしろかったのもそうでないのもいろいろ。 江戸川乱歩「二銭銅…
モーリス・ルヴェルの短編集。 かろうじて繋がっている蜘蛛の糸をはじくような話ばかり。切れないで済む蜘蛛の糸はほとんど無い。人の持つ悪さや弱さは、なんらかの不幸からもたらされる緊張感に耐えられないのである。どの話も短いが、重い。オススメ。 ち…
山岡鉄舟の口述をまとめ、勝海舟の評論を加え、解説してもとめたもの。 そのまとめにもあるように、本書は哲学書というほどきっちりしたものではない。幕末を生き、大悟した山岡鉄舟の、頭の中をちょっと覗いてその目指すところを語ったものであり、それ以上…
監督:堤幸彦(2009 日) 出演:唐沢寿明、豊川悦司、常盤貴子、平愛梨ほか 内容:浦澤直樹の同名漫画の映画化。 ようやく見れました。原作をすごく詰め込んだ感じで、忙しい。なのでそんなに面白くないんだけども、ただこれを見たことで、漫画も含めて『20世…