上手なまゆげの使い方

マー人は怠惰である。
横着、といった方があってるかもしれない。とにかくマーシャルで生活したことがある日本人ならば、この意見に反対する人はおそらくいないだろう。とにかく体を動かすことを嫌がる。
その究極とも言えるのがまゆげの使い方で、彼らは人からの呼びかけに対してまゆげを使って返事をする。具体的にはYes、または賛同の意味を示す時はまゆげを上げる。No、または同意しない時は眉をしかめる。日本人でも自分の感情を表すのにまゆげを使いはするが、マー人の場合はそれをもっと積極的に使っている、という印象。
私もこのまゆげの使い方に気がついた時は、声を出すことすら面倒なのか!と驚いたものだが、こちらの生活が長くなると彼らの怠け癖が伝染したのか、実際使うようになってしまった。しかも使ってみればマー人(主に従業員)はちょっとまゆげを動かしただけですぐに反応してくれるので、すごく便利。何かを説明したりする時はこちらの意図をまったく汲み取れないのに、どういうわけかまゆげの動きは敏感なようだ。
というわけで使ってみたら意外と便利だったまゆげレスポンス(今名付けた)だが、日本人に使っても意味はほとんど通じないし場合によっては失礼な感じになるので、マー人にしか使えない。気がつくと家でも使っていることがあるので注意が必要だ。