ロック・クラッシャーを求めて

仕事でロッククラッシャーの価格を知る必要があったので調べてみた。ロック、クラッシャー、いずれもアウトローな響きのする言葉ではあるが日本語で言うと破砕機とか粉砕機のことである。
 
これが種類が多すぎてなかなか自分の思い描くものに辿りつけない。一つには日本で岩を砕いて砂を作るというのは、工業的に必要な場合かもしくはかなり大きな現場などに用途が限られてくるので、砂工場でも始めますかというサイズのものが多いのである。また、おそらくは震災の後に増えたんだろうけども瓦礫の除去を目的とした破砕機もまた多い。破砕して細かくした瓦礫を自動分別できたりするものもあって、すごく日本らしい。
 
日本でちょうど良いものが見つからないので、ならばアメリカよ、と今度は英語で探してみることにした。アメリカで流通しているロッククラッシャーはというと、これまた工業的なものが多いのだが意外と小さいのもある。というより、個人で使いそうなサイズを製造販売している会社がゴロゴロ出てくる。流石DIYの国アメリカよ、個人で岩をも砕いちゃうのね、と勝手に納得しそうになったが、よく見るとどの会社も「岩をここに入れて、黄金を手に入れろ!」みたいなことが書いてある。販売会社の名前も「ゴールド」とか「マイニング」とか。そう、つまり個人で金の採掘をする人たち向けの通信販売が、それなりに成立しているようなのである。アメリカすげー。
 
というわけで、破砕機一つでもお国柄が現れて楽しいですね、という話でした。ちなみに私は↓の動画のようなのを作れないか検討してみることにします。
 

夜愁

サラ・ウォーターズの長編小説。
1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で生きるケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たち。戦争を通じて巡り合った人々は、毎日をしぶとく生きていた。そんな彼女たちが積み重ねてきた歳月を、夜は容赦なく引きはがす。想いは過去へとさかのぼり、隠された真実や心の傷をさらけ出す。
 

 戦争の傷を引きずりながら過ごすいろいろとマイノリティな人々。ミステリ的な要素を期待して著者の作品を読んで失望するのはこれで何度目か。これで翻訳されてるのは全部読んでしまった。文学としてなら良いんだろうけどもミステリとして期待してしまうので創元推理文庫から出さないでほしい。

夜愁〈上〉 (創元推理文庫)

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夜愁〈下〉 (創元推理文庫)

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親密すぎるうちあけ話

監督:パトリス・ルコント(2004 仏)

妻と別れて孤独な日々を送る会計士のウィリアム(ファブリス・ルキーニ)の事務所に、ある日、アンヌ(サンドリーヌ・ボネール)という名の美しい女性が訪ねてくる。彼女は前ぶれもなく自分の夫との私生活について赤裸々に語り始めるが、実は精神科医を訪ねるつもりが、ノックするドアを間違えてしまっていたのだった……。

 うちあけ話を聞いて、初めとまどい、どうしてよいかわからなかった会計士が、次第に女性に魅了され、そのために少しずつ自分を変えようとする話。その努力は結実するかと思いきや引っくり返され、やはりだめかと思わせてはまた引っくり返される。この観客をもてあそぶ感じが好き。

主人公が女のうちあけ話をどこまで信頼できるのか?という点につきる話だが、ルコントはダメな中年男性にやさしいので、やさしい結末が用意されていた。オススメ。 
親密すぎるうちあけ話 [DVD]

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楢山節考

深沢七郎の短編集。表題作『楢山節考』は民間伝承の姥捨て山をテーマとしており、映画化などで有名。
捨てられるのを楽しみとする母、いやいやながら捨てる息子、この二人の気持ちが生生しい。特に楢山参りの日を早めるために自らの歯を石で砕く母おりんの姿は壮絶。その壮絶さは今読んで気狂いとしか思えない類の壮絶さだが、子のため、しきたりのため、世間のために信じる姿勢は宗教的で、否定できないものがある。
その背景となる姥捨ての景色も、山に転がる白骨遺体と、それをついばむカラスと、楢山参りの日に降ると運が良いという雪と、壮絶な景色が目に浮かぶ。
あとこれは間違ってるかもしれないけども、『楢山節考』は「楢山節という歌について著者が考えてみた」という意味だと思うので、この解釈であっていれば、歌のために作り出されたファンタジーということになって、だとすれば著者の頭の中身が恐ろしい。そういうことはどこを見ても書いてないので違うかもしれないけども。意外と短い。オススメ。

 

楢山節考 (新潮文庫)

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言わなければよかったのに日記

深沢七郎のエッセイというか日記。
深沢七郎は『楢山節考』を書いた人だが、かなりすごい人だ。著者紹介を読むだけでもそれがわかる。
大正三年、山梨県に生まれる。日川中学を卒業。中学生のころからギターに熱中。のちにリサイタルをしばしば開いた。昭和三十一年、「楢山節考」により第一回中央公論新人賞を受賞。(中略)三十五年十二月号「中央公論」に発表した「 風流夢譚」により翌年二月、事件が起り、以後、放浪生活に入った。四十年、埼玉県にラブミー農場を、四十六年、東京下町に今川焼屋を、五十一年には団小屋を開業し、話題となる(後略)
三回くらい読んでもよく意味の分からない略歴である。意味は分からないけどすごいのはわかる。
日記の中身も負けてはおらず、喫茶店で隣の人たちが木を見に行く話をしていたので京都までついていった(「銘木さがし」)とか、楢山節考の舞台稽古を見て、はじめてかわいそうな話だと思って結末を変えてもらうようお願いしたが断られた(「とてもじゃないけど日記」)とか、相当にすごい。破天荒というか純真というか、まあ紙一重の人であることは間違いない。オススメ。
ちなみに「風流夢譚」による事件というのは、作品中で天皇と皇后、皇太子と皇太子妃を処刑する場面があったり主人公が皇太后を殴る場面があったりと、社会風刺的な内容であったとはいえ不敬ととられる描写があったため、右翼団体が出版社に押しかけたり、右翼少年が出版社社長宅に押し入って住人を殺傷したりという騒動のことだそうです。ちなみにくだんの作品は発禁にはならなかったものの、ごく最近、電子版が出版されるまで出版はされていなかったようです。

無印良品は、仕組みが9割

この本で大事なことは以下の3つ。

  • 細かいマニュアルを作る。
  • 毎月アップデートする。
  • マニュアル通りやらせる。

しかしこの3つをやり通すというのは、やったことある人にはわかると思うが、かなーり大変なことである。
まずマニュアル作りが大変である。私の脳味噌と人の脳味噌はちがう。簡単に言うと全くの素人でもこれを見れば間違わない!というのが優れたマニュアルなわけだが、それを作るのはすごく時間がかかる。だれか、作ってくれ。
それからアップデートも大変である。しばらく忘れているとどこから直して良いかわからなくなってしまう。下手すると一から作り直した方が早いんじゃないかということもある。だから毎月アップデートなのである。だれか、やってくれ。
そしてマニュアル通りやらせるのもまた大変である。スタッフはみな自分の好きなようにやりたがる。そうではなく、こうだ!と教え続けなくてはいけない。スタッフとのコンクラーベである。だれか、教えてやってくれ。
どうしても身に即した話なので情けない感じになってしまうが、まあそれだけ身につまされるような話が多かったということだ。文中にあった「標準がないと改善もない」というのはなかなかの名言だと思う。

 

ハーバード日本史教室

ハーバード大学の教授陣へのインタビュー。日本について勉強している人たちだけあって、示唆するところは的を射ている。ただインタビュアー(著者)の日本上げがひどく、興醒め。せっかくの機会なんだからもっと面白いこと聞けよ、という。

 

ハーバード日本史教室 (中公新書ラクレ)

ハーバード日本史教室 (中公新書ラクレ)