風土記からみる日本列島の古代史

風土記の世界」より、もう少し内容について詳しい本。そこに描かれる神々の姿や人々の生活について詳しい。
何かの本で卑弥呼の正体とされていたミカヨリヒメがちょっとだけ出ていた。
新書883風土記から見る日本列島の古代史 (平凡社新書)

新書883風土記から見る日本列島の古代史 (平凡社新書)

 

 

風土記の世界

日本で最も古い書物と言えば「古事記」「日本書紀」が挙がるが、「風土記」もまた713年に発せられた命令への地方からの回答(解)なので、回答時期によっては「日本書紀」よりも古いものもあったかもしれない。かもしれないというのは「風土記」のほとんどはいつ回答されたものかわかっていないためで、それどころかそのほとんどが完全な形で残っていないという幻の書物なのである。
また、ほぼ完全な形で残っているのが神話的に見て特別な出雲国のものであるというからまた興味深い。さらに興味深い点を並べると
  • ヤマトタケル(倭武)天皇」という記載がある
  • 「神功天皇」という記載がある
  • 出雲国風土記は命令から20年のに回答された(と記録されている)
  • 浦島太郎の元ネタが載っている
等々、歴史のロマンが詰まっていると言っても過言ではないのである。その「風土記」の概要と特長を知るにはうってつけの本であった。
風土記の世界 (岩波新書)

風土記の世界 (岩波新書)

 

 

虫られっ話

北杜夫との対談と、手塚治虫の奥さんによるあとがきが面白かった。
手塚治虫くらいの大家ともなると、自叙伝のような漫画もあるし、あちこちで語られつくしているので人となりは何となく知られているが、それでも対談で出てくる個性というか話はまた新鮮で良い。この本の対談相手はクセの強い人たちたちが多いのか、どちらかというと相手に合わせている感がないでもない。
しかしジュディ・オングはなぜ対談相手として選ばれたのだろう。対談はまあ面白いからいいんだけど、なぜジュディ・オングだったんだろう。
虫られっ話 (潮文庫)

虫られっ話 (潮文庫)

 

 

白ゆき姫殺人事件

化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人人への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌報道は過熱する一方、匿名という名の皮をかぶった悪意と集団心理。噂話の矛先は一体誰に刃を向けるのか。(「BOOK」データベースより)
インターネット上の書き込みや事件報道、関係者の証言などで構成される。本で読んだのでパッとしない感じだったが、電子書籍版ではタップ操作で関連する資料が表示されるようになっているらしい。そこも体験できれば面白かったかも。

 

白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)

白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)

 

 

忘れられた日本人

宮本常一のエッセイというか、調べたこと。
歴史の表に現れることのない農村の人々からの聞き取りを丹念に記録することで、点に過ぎない一人一人の話が積もり積もって線となり面となり、徳川の時代から明治新政府へと移り変わる頃の日本の民俗の姿が浮かび上がる。
特に村の寄りあいの話、夜這いの話、家族や村の人間関係の話等を通じて当時の人々の考え方、心がけていたこと、規範が、おぼろげながら見えてきて興味深い。
無名に等しい人々の生活に立ち向かう姿が歴史を形作っていることを再確認させてくれる一冊。
忘れられた日本人 (岩波文庫)

忘れられた日本人 (岩波文庫)

 

 

告白

巷で噂の湊かなえ作品を読んでみた。読んだ3作品の中では「告白」が話としては一番救いがないけども一番面白かった。と書くと私が人でなしのようだけども実際に面白かったので仕方がない。
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」我が子を校内で亡くした中学校の女性教師によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。語り手が「級友」「犯人」「犯人の家族」と次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りにされていく。(「BOOK」データベースより)
叙述トリックは、言われてみればそういう風にも読めるというものと、意識の有無を別として信頼できない語り手による供述というものがあって、まだ他にもあるかもしれないが、とりあえず無意識の信頼できない語り手が私の一番の好みらしい。 
告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)

告白 (双葉文庫) (双葉文庫 み 21-1)