アングロサクソンと日本人

国史をなぞってそれぞれの時代のエピソードを紹介しつつ、イギリスと日本を比べた文化論。出してくるエピソードが面白いので飽きない。
中でも面白かったのが第二章「国語が消えた」。これはかいつまんで言うと以下のようになる。
それまで古英語を話していたイギリスの貴族たちが、王位継承の問題でフランスからやってきたノルマンディー公ウイリアムが王位につくまでにこれと戦い、そのほとんどが途絶えてしまったために新しいイギリス宮廷はフランス人だらけ、フランス語ばかりになってしまった。これが1066年くらいの話でそれからしばらく模範となるべき宮廷で話される公の言葉がフランス語となってしまったものだから、英語というのは下層民だけが話す言葉になってしまったのである。
ちなみにこれは13世紀にフランスにある領地を失ったあたりからイギリス人のプライドも回復してきて英語は復活の兆しを見せるのだが、実に200年近くイギリスの国語がフランス語だったのである。
ちなみにこれと似たようなことは日本でも起きていて、万葉集以降は100年以上大和言葉の勅撰集が出来ていないという事実がある。当時のエリートといえば漢文なのである。ただイギリスと異なるのは王室が入れ替わったわけではないので皇室をはじめとする宮廷=日本のエリート層の間でも話し言葉大和言葉を使っていたものと思われ、それは和歌の伝統などに依然として残った。
等等、歴史知識の隙間を埋めてくれる興味深い話題が目白押しである。今のところ、今年一番の本。 
アングロサクソンと日本人 (新潮選書)

アングロサクソンと日本人 (新潮選書)

  • 作者:渡部 昇一
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1987/02/01
  • メディア: 単行本
 

 

スイングできるやつと、そうでないやつだ!

南の島で観光客のお手伝いとかしていると、2種類の人がいる。(何もなくて)ダメなところだ!と言う人と、(何もなくて)なんて素晴らしいところだ!と言う人である。
よくワインの入ったグラスに例えて「半分しかない」か「まだ半分もある」かというのと同じで、見ているものは同じでも人によって感じ方はかくも異なる。相手をして楽しくなるのは間違いなく後者だが、それがいつも正義とは限らない。例えば一緒に仕事して頼りになるのは前者だろう。在庫が少ないのに「まだあるから大丈夫」と言い続ける人に在庫管理は任せたくない。
というわけで一長一短、どちらが良い悪いという話でもないのだが、「半分しかない」という批判精神が日本でふんづまりを起こしているところを見ると、「まだ半分もある」と考える割合を少し増やした方が暮らしやすい世の中になるのかもしれない。 

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス

 監督/脚本:ジェームズ・ガン(2014 米)
出演:クリス・プラットゾーイ・サルダナデイヴ・バウティスタブラッドリー・クーパー、カレン・ギラン、カート・ラッセル

ピーター(クリス・プラット)は“ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー”のまとめ役として、刑務所で出会ったくせ者たちを率いている。宇宙一荒っぽいアライグマのロケットは、ブツブツ文句を言いながらも小さな相棒ベビー・グルートと共に銀河の平和を守るために奮闘。緑色の肌を持つ美しい暗殺者ガモーラ(ゾーイ・サルダナ)らと共に行動し……。(Yahoo!映画より)

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのvol.2。日本ではなぜか「リミックス」としている。前作のラストでAwesome Mixのvol.2が見つかっているんだから、タイトルもvol.2のままで良いのに。
映画は二作目ということで登場人物の背景を掘り下げる鉄板進行。脛に傷もつ曲者たちなので、掘り下げればいくらでもストーリーが出てくるのは強いところ。今回は前作でも話に出ていたピーターの父親についての話をメインに展開する。父親がカート・ラッセルデビッド・ハッセルホフ、どちらが良いか?なかなか難しい問題である。生みの親より育ての親とはよく言ったもので、ピーターが選んだのはマイケル・ルーカー*1!前作からピーターといがみ合っていたが、今作で判明した事情と行動を鑑みると、MCUきっての聖人といっても過言ではない。良い人だっただけにラヴェジャーズへの弁解の機会が無かったのが残念である。
しかしマーベル作品は本当に手放しでボケっと見てしまうので書くことが少ない。毎回、ここはこうなるのかーとか、こんな人も出てるー!とか。子供と一緒に楽しく見られるので、これはこれで良い。

 

*1:この人こんなに(人として)良い役をやったことあるんだろうか?

最近感じた、ここも世界の一部なんだなあと感じた出来事。

フィリピンから、日本からマスクを輸入できないかという問い合わせ。先日のタール火山の噴火でマスクが払底しているらしい。コンテナで買いたいらしい。いくらかかるかわかってんのかな?
それから、コロナウイルスについての日本からの問合せ。誰かが「日本からの入国は拒否!」というデマを流しているらしいが、実際にはそのようなことはなく、入国拒否されるのは中国・香港・マカオだけ。このデマのせいで保健省次官をつかまえて本当のところを確認しなくてはならなかった。どちらも手間ばかりかかって(今のところ)一銭にもならないのが悲しいところ。
と思ったら、お隣のFSMは日本からの入国が禁止になったらしい。これを受けて、日本人はユナイテッド航空に乗れるのかどうか?が今後のポイント。もちろん確認中だけども、もし乗れなくなると、今月と来月すごく暇になってしまうので、休みをとってハワイにでも行こうかしらん。
と思ったら、ユナイテッドは乗れるそうです。チッ。よかったよかった。

フランクリン自伝

 フランクリンと聞くと、どうしてもアレサ・フランクリンが思い浮かんでしまうが、こちらは100ドル札の顔、ベンジャミン・フランクリンの自伝。アレサの自伝だとタイトルが「ナチュラル・ウーマン」とかでありそうではある。

 


Aretha Franklin / Let It Be

 

ベンジャミン・フランクリンはタコを使って雷も電気であることを証明した実験などでも有名。大統領にはなってない。アメリカの独立宣言の草稿に携わろうとしたが誰にも分らない暗号とか仕込まれそうだからとメンバーから外された、という逸話があるくらいファンキーな人である。
18世紀のアメリカの生活が描かれていて、その倫理観や英国と植民地との関係が垣間見れて楽しい。ただし独立戦争前後の話は載っていない。
フランクリンは自ら13の徳についてチェックリストを作り、毎日チェックしていたというのが面白い。現代に生まれても活躍できそうな頭の柔らかさを感じる。

フランクリン自伝 (岩波文庫)

フランクリン自伝 (岩波文庫)

 

 

時には仕事の話を(書ける範囲で)

このところ船関係の仕事が続いていた。せっかく立ち寄ってくれるのだから気持ちよく滞在して/出て行ってもらいたいものだが、関係各所の役人たちはいつもゆっくりとしか動かないので気疲れする。幸い今回は3件も続いたが大きな問題なく終了した。

この仕事の役得の一つとして、たまに船でお昼をご相伴することがある。マグロをとってる船であればマグロ、カツオをとってる船であればカツオ、当たり前だがそれぞれとても美味しい。

ちなみに船の人たちは刺身に飽き飽きしているのか、普通の食べ方はしない。小皿に入れた醤油にマヨネーズ、そして刻みニンニクをぶち込んでいくスタイル。大抵の船頭さんは「漁船はみんなこれよ!」と豪語する。ニンニクの代わりに七味の場合もある。見た目はあまり良くないが、これがなかなかおいしい。九州出身者だとたまり醤油だったりもして、いろいろとバリエーションに富んでいる。

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こんな感じで入ってきます。

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ブリッジからの眺め。

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お土産にもらったアカマンボウ

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港の燃料口。

4枚目の写真は港の燃料口。インスタ映えしそうな青緑色。燃料漏れか。

デッドプール

監督:ティム・ミラー(2016 米)
ウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)は、以前は優秀な特殊部隊の傭兵(ようへい)として活躍していたが、今は悪者を気まぐれに痛めつけては金を稼いでいる。すっかり正義のヒーロー気取りの彼は恋人との結婚も決まり幸福の絶頂にあったが、いきなり末期ガンだと診断される。とある組織にガンを根治できると聞いたウェイドは、彼らに同行して人体実験を受ける。Yahoo!映画より)
子供のいない時間ができたので、子供とは見れないと評判のデッドプールを見た。子供とは見れない映画というのは実は多くて、性的なものはもとより暴力的なものもダメ。確かにちょっと怖いだけで下の子は夜寝れなくなったりする。なので100枚以上ある私の映画コレクションは八割方は子供といるときは見れない。その点白黒の古い映画は規制が厳しいので一緒に見ても安心なので、バスター・キートン作品を見せたりしている。
話を映画に戻すと、デッドプールはマーベルでもX-MENと同じ世界のキャラクターになるらしい。ただX-MENマーベル・シネマティック・ユニバースに合流するという噂もあるので将来的にはどうなるかわからない。
映画自体は確かに子供には見せられない程度のエロさとグロさ。主人公の前歴がはっきりしないところとか空母を置いてるゴミ置き場とか、ツッコミどころも多いので、絶賛されるほど面白いとは思わなかったが、クスリともしないと言えばウソになる。インド人タクシー運転手の話は面白かったし。どこまでメタなノリを楽しめるかによって満足度は変わってくる作品なのかもしれない。