10ドルだって大金だ

私の短編小説への評価は、つまるところ星新一を越えるか越えないかだということに最近気がついた。もちろん星新一の作品は数が多い(1000編以上!)ので、どれか1つということは言えないし中には大して面白くない話もあるんだろうけども、それは忘れているだろうから私の中の「星ライン」はかなり高いハードルとなっているはず。こんな読書の影響もあるんですね。
そういった観点からジャック・リッチーの『10ドルだって大金だ』を読んでみると、「星ライン」を越えてはいない。越えてはいないけれどもいい線はいっている。余計なものを削ぎ落とした文章、ひねりのきいたオチではあるんだけどもそれぞれが少し弱くて毒がない。惜しいなあ。

10ドルだって大金だ (KAWADE MYSTERY)

10ドルだって大金だ (KAWADE MYSTERY)