網野善彦

米・百姓・天皇 日本史の虚像のゆくえ

網野善彦の「日本社会の歴史」を下敷きにした対談。 日本の歴史と一口に言うが、その日本とは何なのか。通り一遍の解釈から生まれる「日本」という虚像に抗うべく、表題のキーワードの他、国号について、差別について、米をありがたがっていれば日本人なのか…

日本社会の歴史 上・中・下

網野義彦の新書。 いわゆる「日本の歴史」と異なるのは、国単位でなく日本列島とその周辺における人の営みの歴史をまとめている点と、従来見落とされがちだった、農業以外に従事していた海民や職能民などにも注目し、時の中央政権から被差別民まで、できるだ…

歴史を考えるヒント

網野善彦の講演を文章化した連載をまとめた本。さまざまな言葉の成り立ちをきっかけにして歴史を考える。「『日本』という国名」から始まり「列島の多様な地域性」「地域名の誕生」など興味深い話が目白押し。被差別民・無縁等の著者のテーマもわかりやすく…

歴史と出会う

網野義彦が書いた残りを集めたような一冊。あとがきとか対談とか弔辞とか。 自らの教師経験を語るくだりで、教え子たちに呼ばれた同窓会の折にもう一度歴史の授業をしたという話があるのだが、そこで著者は過去に教えた内容が間違っていたことを謝ったという…

日本の歴史を読みなおす(全)

これまで日本の歴史をみる上で見過ごされがちであったマイノリティなもの(男に対する女、農に対する商etc)について、13世紀頃に日本におきた現代へと至る価値観の転換に絡めて語った一冊。どれも刺激的な内容だが、中でも百姓と農民はイコールではなく、…

東と西の日本史

東日本と西日本、現代ですらいろいろと異なることがあるんだから昔はもっといろいろあったんじゃないの?てかむしろ一つの国だったと考えるから無理があるんで、東と西では違う国といっても差し支えない状態だったんじゃないの?という思いつきからはじまる…