2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧
手塚治虫の対談集。相手は筒井康隆、北杜夫、田河水泡、横尾忠則、ジュディ・オング、尾崎秀樹、磯村尚徳、石ノ森章太郎、松本零士。 北杜夫との対談と、手塚治虫の奥さんによるあとがきが面白かった。 手塚治虫くらいの大家ともなると、自叙伝のような漫画…
化粧品会社の美人社員が黒こげの遺体で発見された。ひょんなことから事件の糸口を掴んだ週刊誌のフリー記者、赤星は独自に調査を始める。人人への聞き込みの結果、浮かび上がってきたのは行方不明になった被害者の同僚。ネット上では憶測が飛び交い、週刊誌…
宮本常一のエッセイというか、調べたこと。 歴史の表に現れることのない農村の人々からの聞き取りを丹念に記録することで、点に過ぎない一人一人の話が積もり積もって線となり面となり、徳川の時代から明治新政府へと移り変わる頃の日本の民俗の姿が浮かび上…
巷で噂の湊かなえ作品を読んでみた。読んだ3作品の中では「告白」が話としては一番救いがないけども一番面白かった。と書くと私が人でなしのようだけども実際に面白かったので仕方がない。 「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒…
親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考…
仕事でロッククラッシャーの価格を知る必要があったので調べてみた。ロック、クラッシャー、いずれもアウトローな響きのする言葉ではあるが日本語で言うと破砕機とか粉砕機のことである。 これが種類が多すぎてなかなか自分の思い描くものに辿りつけない。一…
サラ・ウォーターズの長編小説。 1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で生きるケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たち。戦争を通じて巡り合った人々は、毎日をしぶとく生きていた。そんな彼女たちが積み重ねてきた歳月…
監督:パトリス・ルコント(2004 仏) 出演:サンドリーヌ・ボネール、ファブリス・ルキーニ他 妻と別れて孤独な日々を送る会計士のウィリアム(ファブリス・ルキーニ)の事務所に、ある日、アンヌ(サンドリーヌ・ボネール)という名の美しい女性が訪ねてく…
深沢七郎の短編集。表題作『楢山節考』は民間伝承の姥捨て山をテーマとしており、映画化などで有名。 捨てられるのを楽しみとする母、いやいやながら捨てる息子、この二人の気持ちが生生しい。特に楢山参りの日を早めるために自らの歯を石で砕く母おりんの姿…