2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

犯罪

フェルディナント・フォン・シーラッハの短編集。 犯罪というのは読んで字の如く、罪を犯すことが犯罪であり、法治国家においては罰が与えられる一定のラインである。この一線を越えるか否かが犯罪者となるかならないかの境目である。そんなことは当たり前で…

人間失格

太宰治の小説。人間を信頼できない主人公・葉蔵の手記。 他人を信頼するというのは他の人の頭の中をのぞく行為に近い。つまるところ他人が何を考えているかはわからないので、結局どこで折り合いをつけるかということになるのだが、苦労を知らない生まれ育ち…

永遠の0(ゼロ)

百田尚樹の長編小説。 亡くなった祖父の姿を追い求める姉弟。祖父の戦友たちの話から浮かび上がる祖父の姿と真相。 一つの長編小説としては、ごく普通。こんなに都合よくあちこちで生き残る飛行気乗りがいるものかとは思うが、ただ日本人が知っておくべき戦…

贖罪(上)(下)

小説を選ぶ際に目にするあらすじは、大まかな内容を教えてくれる便利なものだが、結末まで推察できてしまうことが多い。しかし読者は、というか私はあらすじについてはうるさい。つまらなそうな話は読みたくないので中身は知りたい、しかし読む段では未知の…

心臓を貫かれて (上)(下)

マイケル・ギルモアのノンフィクション。翻訳は村上春樹。 1976年に殺人罪で逮捕され、自ら望んで死刑になったゲイリー・ギルモアについて、その末弟である著者から見た、ゲイリーとその家族にまつわる、年代記というか記録。 著者は父祖の代から続く暴力と…

全国アホ・バカ分布考

探偵ナイトスクープの企画で研究した「アホ・バカの分布」について1冊にまとめた本。タイトルは面白そうなのにテレビ局の人が書いたものであるせいか冗長というか、要領を得ない。テレビと同じ感覚で盛り上げようとするせいかしらん。 著者は「蝸牛考」すら…

ノルウェイの森 (上)(下)

村上春樹の長編小説。すごくいまさらではある。 主人公は友達に死なれた喪失感を引きずる大学生。友人の彼女も同じくその死を引きずっており挙句精神に異常を来たし、結局自殺。友人の彼女にも引かれていた主人公だが、大学で別に明るい彼女を見つけ、主人公…

本を読みながら寝るというのは至福の一つだと思います。

気づいたら本の感想を4ヶ月も放置していた。このところインターネットのつながり具合がよろしくなかったので、そうなると更新作業も疎かになるのです。20冊くらい読んだうち半分くらいは書いてあるので順次更新していきます。