2012-01-01から1年間の記事一覧

お菓子の髑髏

レイ・ブラッドベリの短編集。 ブラッドベリの作品は過去に読んだことはあるはずだが、なんとなく馴染めずに読みきれなかったような気がする。面白いのに話が進まない印象。今回は本屋で表紙が素敵だったので買ってしまったのだが、やはり同じ印象。面白いの…

大きな森の小さな密室

小林泰三の短編集。 「大反響!続々重版!ブラックユーモア大炸裂!」という帯に魅かれて読んでみたのだが、残念な結果に。会話ばかりで展開が早いのは良いとしても、ブラックユーモアといえるものが皆目見当たらないのはいただけない。ミスリードの表題作の…

奇談蒐集家

太田忠司の連作短編集。 「自ら体験した不可思議な話、求む。高額報酬進呈(ただし審査あり)」という新聞広告につられてやってくる人たちが語る、真実なのか創作なのかわからない不思議な話。 基本的にこの手の不思議な話は好物であるが、納得のいく結末で…

江戸っ子はなぜ宵越しの銭を持たないのか?

落語を通じてのぞいた江戸時代を紹介。落語を知らなくても面白いが、知ってる方が良いかもしれない。落語の取っ掛かりにも良いかも。江戸っ子はなぜ宵越しの銭を持たないのか? 落語でひもとくニッポンのしきたり (小学館101新書)作者: 田中優子出版社/メーカ…

未来世界から来た男

フレデリック・ブラウンの短編小説。 この人はSFとブラックな味わいのとそれぞれ書いているが、この短編集は両方が少しずつ混ざっているような。読み出したら止まらない。未来世界から来た男 (創元SF文庫 (605-1))作者: フレドリック・ブラウン,小西宏出版社…

史談あれやこれ

村雨退二郎の歴史随筆。 「与太郎」の語源から歴史小説における時代考証の必要性まで、話題は多岐にわたる。与太・道化・城郭の丸・河童の語源を考える「珍物語源考」、君と僕・殿と様・女性の名前・臣民と大臣・言葉の時代性について考える「ことば雑談」、…

正倉院の謎を解く

正倉院で働いていたらしい著者による、「謎を解く」というよりは解説。正倉院収蔵物をひたすら解説。特に漆器や陶器などの解説は詳しすぎたので、とばし読み。このようにタイトルが適切でないと読みたいレベルと本のレベルが乖離していることがあるので困る…

少年

ロアルド・ダールの自伝小説。物心ついてから就職するまで。 ダールの通った学校の先輩や教師たち、彼らはなんとも意地悪で憎らしい連中なんだけども、彼らなくしてはダールの文学は生まれなかったと思えばすごく重要な人たちだったと思う。少年 (ハヤカワ・…

多忙

日本にかえってきてます。今月いっぱい。 日本はなんだか毎日忙しい。 忙しくても本は読めるのです。

病院坂の首縊りの家

横溝正史の長編推理小説。殺人事件の様子、犯行の背景、理由、全てがドロドロした感じで溢れており、金田一耕助最後の事件にふさわしいように思う。オススメ。 ちなみに金田一耕助の殺人防御率(主要10作品を選定し、探偵が事件に関与してから、解決するまで…

伝える力

池上彰の新書。買った覚えはない。 わかりやすい解説で引っ張りだこの著者による伝え方教室。私がよく使う、文章を書く際の順接の「〜が」も注意事項に入っていた。 ちなみに池上彰を「NHKこどもニュース」で見たとき、シャーロック・ホームズの英会話のおっ…

人形館の殺人

綾辻行人の長編ミステリ。 「人形館」と呼ばれる屋敷に引っ越してきた若者の身の回りに起こる不審な出来事と殺人事件。 どことなく他のシリーズ作品との毛並みの違いを感じていたら、やはり、というオチ。読んでいて違和感を感じさせるのは、作者のうまさな…

迷路館の殺人

綾辻行人の長編ミステリ。 とある有名推理小説家が隠棲する屋敷「迷路館」でおきた殺人事件を小説化した作中作、の体をとっているミステリ。ややこしいことこの上ない。作中作のトリックは基本的に過ぎるというか、他の「XX館」シリーズを読んだことのある向…

大江戸開府四百年事情

江戸時代がいかに平和な時代だったかを熱く語る本。 著者は、作家の井沢元彦と同じように、「記録が残っていることは異常なことであり、そのような記録を見ているだけではそれ以外の当時の生活は見えてこない」という歴史の見方である。 これに基づいて、一…

悠久の窓

ロバート・ゴダードの長編サスペンス? ゴダード得意の歴史を絡めた謎解きだが、途中から謎自体がよくわからないことに。最後の方は飛ばし気味に読んだので解決もなんだかよくわからない。みんな死んで終りなのか。ステンドグラスはどこへいったのか。途中か…

正倉院の謎

東大寺正倉院に収められた御物の出自を徹底的に調べた本。 正倉院の御物と言えば奈良時代の宝物が収められているものと学校では習うが、その実、収められているものの全てが奈良時代のものというわけではなく、増減を繰り返しているという事実がある。また奈…

こころのきれいな人には見えます。

お客さんをエネコへ送り届けた帰りの写真。 はるか彼方に橋が見えます。

眩惑されて

ロバート・ゴダードの長編サスペンス。 誘拐事件を目撃した主人公が長い時を経て未解決となっていた誘拐事件の謎解きに挑む話。18世紀の投書家ジュニアスにまつわる謎が物語を解く鍵になるのだが、馴染みがないせいかさっぱり興が沸かない。そのせいかなんだ…

関が原前夜--西軍大名たちの戦い

関が原の戦いで西軍に属した大名たちの中でも毛利・上杉・宇喜多・島津など主だった大名たちがどのような流れで関が原の戦いに到ったかを西軍側の資料から読み解く。 歴史はどうしても勝者の記録が大々的に取り上げられるものなので、敗者のイメージは悪く、…

西洋歴史奇譚

ギイ・ブルトンとルイ・ポーウェルによる奇譚、プラス対談。 ギイとルイという名前からしてフランス人らしく、ヨーロッパの大陸よりの話が多い。「1.身近な幽霊」「2.未来の幻」「3.悪魔憑きと妖術」「4.別世界からの使者」「5.大いなる神秘」の各…

ロアルド・ダールの幽霊物語

ダールがテレビシリーズの企画のために集めた怖い話14編。企画自体は流れたらしい。 収録されている作品は以下。 「W・S」L・P・ハートリー 「ハリー」ローズマリー・ティンパリー 「街角の店」シンシア・アスキス 「地下鉄にて」E・F・ベンスン 「ク…

二十歳のあとさき

出久根達郎の自伝小説。3の2。これでようやく3冊全部読めた。 主な内容は中学を出て古書店に勤めるようになった著者が、他の店の同じような立場の書店員と始めた勉強会の顛末で、特別に甘い話は無いのだが、なんとなく甘酸っぱい気持ちにさせてくれる。 とか…

鬼女伝承とその民俗-ひとつ家物語の世界

こういうのはなんていうんだ。研究書というほどマニアックでもないんだけども。さまざまな形で描かれた「ひとつ家伝説」が、どのようにして生まれ変化してきたかを明らかにする本。 猟奇的な話というのはいつの時代も一定の支持を得るものらしい。殺し合いが…

毒舌日本史

今東光の歴史対談。 一つの側面から見て分からないことが別の角度から見ればあっさり理解できるということは、よくある。歴史についても同じで、前後の歴史だけでなく、例えば仏教的な視点なり地方的な視点なりを通じて見ることで理解できることがあったり新…

骨と沈黙

レジナルド・ヒルの長編小説。 「この推理小説がすごい!」とかそういうのの大賞に選ばれた作品だったと思うが、残念ながら入っていけなかったという印象。翻訳のせいかなあ。入っていけないからなんだか長かった。聖史劇についてはさっぱり分からなかった上…

カタカナ

最近のはるかさんはひらがな・カタカナ同時進行で字の練習中。

落語特選・下

落語百選には人当たりの良い有名どころを集め、何らかの理由から選外となった作品を集めたのがこの「特選」らしい。「居残り左平次」が好き。ところで上巻はどこへ行ったのだろう。落語特選〈下〉 (ちくま文庫)作者: 麻生芳伸出版社/メーカー: 筑摩書房発売…

落語百選・秋

「目黒のさんま」「寿限無」「時そば」「ぞろぞろ」「子別れ」など有名どころ多数収録。 落語の登場人物は特長を強調され簡易的に表現されている、ひらたく言えばデフォルメされているのでみな極端な個性を持っている。その個性は色欲、強欲、憤怒、怠惰、虚…

来訪者

ロアルド・ダールの長編小説と短編小説。 著者の叔父の日記を披露するという体で不思議な冒険談を紹介するというやり方が好奇心を募らせる。しかもその内容は叔父が巨万の富を築いた秘訣であり、しかもそれが人の性欲をコントロールする薬に秘密がある、とく…

オズワルド叔父さん

オズワルド叔父さん (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: ロアルド・ダール,Roald Dahl,田村隆一出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1991/02/01メディア: 文庫 クリック: 14回この商品を含むブログ (6件) を見る