二十歳のあとさき

出久根達郎の自伝小説。3の2。これでようやく3冊全部読めた。
主な内容は中学を出て古書店に勤めるようになった著者が、他の店の同じような立場の書店員と始めた勉強会の顛末で、特別に甘い話は無いのだが、なんとなく甘酸っぱい気持ちにさせてくれる。
とかく青春時代を振り返るというのは甘く切ない気持ちになるものである。当然ながらそれは二度と戻れないからであるし、また現在と断絶しているからだろう。今の自分とつながっている気がする時代はそれほど切なさは感じない。
今現在の自分が振り返ってみれば高校時代がそれにあたり、その頃の友人はほとんど付き合いが無い。音楽でいうとパワーポップからグランジらへんを聴いていた頃なので、久しぶりにレモンヘッズとかポウジーズとか聴くと、そんなに好きだったわけでもないのにすごく懐かしい。