東大寺正倉院に収められた御物の出自を徹底的に調べた本。
正倉院の御物と言えば奈良時代の宝物が収められているものと学校では習うが、その実、収められているものの全てが奈良時代のものというわけではなく、増減を繰り返しているという事実がある。また奈良時代に収められた宝物に関しても、一見平和にみえる奉献の裏に、かなりドス黒い藤原氏の陰謀があったのではないか、というのが著者の説。
詳しくないので反論のしようもなくただハー、と肯くよりなかったが、ぼんやりとしたイメージしか持てない時代に彩りを加えるようで面白かった。なんにしても1200年前のものがまだあるというのは物凄いことで、それが自分の国であるというのは誇らしいことだ。
- 作者: 由水常雄
- 出版社/メーカー: 魁星出版
- 発売日: 2007/06/30
- メディア: 単行本
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