史談あれやこれ

村雨退二郎の歴史随筆。
与太郎」の語源から歴史小説における時代考証の必要性まで、話題は多岐にわたる。与太・道化・城郭の丸・河童の語源を考える「珍物語源考」、君と僕・殿と様・女性の名前・臣民と大臣・言葉の時代性について考える「ことば雑談」、以下「きものと万葉集」「古代反逆史の人々」「歴史の謎・神宮皇后」「平安の妖婦・藤原薬子」「裏からみた頼朝とその周囲」「二人の剣士と幸村の娘」「元禄鵜飼舟紛争」「にせもの義士外伝」「自殺か暗殺か孝明天皇の死」「北海道共和国の崩壊」「厚葬の罰」「学者うそくらべ」「埋蔵金はまだ出る」「統一のない文学の定義」「歴史教育歴史小説」「歴史小説を育てよう」。歴史随筆といえば有名どころにまつわる話が多いものだが(それはそれで良いのだが)、この本では普段目にしない、裏通りのようなところをついてくるので、読んでいて楽しい。

史談あれやこれ (中公文庫 M 33-2)

史談あれやこれ (中公文庫 M 33-2)