2012-07-24から1日間の記事一覧

夜明けあと

星新一による明治に編年紀。 著者ゆえに、取り上げるニュースもどこかおかしく、記載される人たちはどこかユニーク。たとえば「村議会に当選した人が喜んで村役場で宴会をやり、そのままクビに」とか。文明開化しつつもどこかのんびりとしていて楽しい。夜明…

お菓子の髑髏

レイ・ブラッドベリの短編集。 ブラッドベリの作品は過去に読んだことはあるはずだが、なんとなく馴染めずに読みきれなかったような気がする。面白いのに話が進まない印象。今回は本屋で表紙が素敵だったので買ってしまったのだが、やはり同じ印象。面白いの…

大きな森の小さな密室

小林泰三の短編集。 「大反響!続々重版!ブラックユーモア大炸裂!」という帯に魅かれて読んでみたのだが、残念な結果に。会話ばかりで展開が早いのは良いとしても、ブラックユーモアといえるものが皆目見当たらないのはいただけない。ミスリードの表題作の…

奇談蒐集家

太田忠司の連作短編集。 「自ら体験した不可思議な話、求む。高額報酬進呈(ただし審査あり)」という新聞広告につられてやってくる人たちが語る、真実なのか創作なのかわからない不思議な話。 基本的にこの手の不思議な話は好物であるが、納得のいく結末で…

江戸っ子はなぜ宵越しの銭を持たないのか?

落語を通じてのぞいた江戸時代を紹介。落語を知らなくても面白いが、知ってる方が良いかもしれない。落語の取っ掛かりにも良いかも。江戸っ子はなぜ宵越しの銭を持たないのか? 落語でひもとくニッポンのしきたり (小学館101新書)作者: 田中優子出版社/メーカ…

未来世界から来た男

フレデリック・ブラウンの短編小説。 この人はSFとブラックな味わいのとそれぞれ書いているが、この短編集は両方が少しずつ混ざっているような。読み出したら止まらない。未来世界から来た男 (創元SF文庫 (605-1))作者: フレドリック・ブラウン,小西宏出版社…

史談あれやこれ

村雨退二郎の歴史随筆。 「与太郎」の語源から歴史小説における時代考証の必要性まで、話題は多岐にわたる。与太・道化・城郭の丸・河童の語源を考える「珍物語源考」、君と僕・殿と様・女性の名前・臣民と大臣・言葉の時代性について考える「ことば雑談」、…

正倉院の謎を解く

正倉院で働いていたらしい著者による、「謎を解く」というよりは解説。正倉院収蔵物をひたすら解説。特に漆器や陶器などの解説は詳しすぎたので、とばし読み。このようにタイトルが適切でないと読みたいレベルと本のレベルが乖離していることがあるので困る…

少年

ロアルド・ダールの自伝小説。物心ついてから就職するまで。 ダールの通った学校の先輩や教師たち、彼らはなんとも意地悪で憎らしい連中なんだけども、彼らなくしてはダールの文学は生まれなかったと思えばすごく重要な人たちだったと思う。少年 (ハヤカワ・…

多忙

日本にかえってきてます。今月いっぱい。 日本はなんだか毎日忙しい。 忙しくても本は読めるのです。