歴史

日本史の巷説と実説

人口に膾炙した話とその実際を比べながら実像を描き出す。後半は江戸時代の話が多かった。福沢諭吉の「痩我慢の説」に対する勝海舟と榎本武揚の反応の違いが面白かった。日本史の巷説と実説 (河出文庫)作者: 和歌森太郎出版社/メーカー: 河出書房新社発売日:…

戦国10大合戦の謎

「桶狭間の戦い」から「大阪の陣」まで、戦国史上名高い戦の詳細。 全て結果のわかっている現代から見ると関が原で東軍が勝つのは当たり前だが、例えば織田信長を本能寺の変で倒した明智光秀と中国戦線から引き返した羽柴秀吉が対峙した山崎の合戦では、秀吉…

攘夷と護憲[歴史比較の日本原論]

護憲論者の言うことは攘夷を叫んでいた人たちと同じだ!ということを丁寧にわかりやすく説明した本。幕末の流れを把握しやすい。「逆説の日本史」と比べると筆者がすごく抑えて書いているのがわかって、笑える。攘夷と護憲[歴史比較の日本原論]作者: 井沢元…

地図だけが知っている日本100年の変貌

日本地図に残った歴史の変遷。面白いのもあったけども、地形という明らかなかたちに残っている時点で「地図だけが知っている」わけではなく、地図からわかることは見逃しがちなことに過ぎないわけで、唸らせられるほどの驚きはなかった。地図だけが知ってい…

戦国の群像

戦国時代といえば戦国武将、武士の時代と思いがちだが、そこには当然武士以外の人もいたわけで、では農民・商人・公家・猟師・漁師等等はどのように生きていたのか、武士たちとはどのように関わっていたのか、というまさにタイトル通りの一冊。百姓を一括り…

織田信長軍団100人の武将

織田信長の家臣団を取り上げた本。谷口克弘監修ということでちゃんとした内容だが広く浅くなので新書じゃなかったのかしらん。でもタイトルで損をしているように思う。織田信長軍団100人の武将 (新人物文庫)作者: 谷口克広,岡田正人出版社/メーカー: 新人物…

悪人がつくった日本の歴史

日本史上一般的に「悪人」とされてる人たちは本当に悪人だったのか?という視点からいろいろ取り上げて弁護している本。日野富子とか悪人がつくった日本の歴史 (中経の文庫)作者: 小和田哲男出版社/メーカー: 中経出版発売日: 2009/04/26メディア: 文庫この…

日本史の誕生

「日本」史が始まった日本建国は天智天皇が即位した668年であり、それ以前は「倭」という国の集まりであり、日本書紀はその辺を捏造してある日本最古の書物である、ちなみに「古事記」は平安初期に作られた偽書である、というかなり尖った説の本。尖ってはい…

日本人のための歴史学

世界史をちゃんと勉強したことがないので本書が一般的にみてどうなのかはわからないが、ユーラシア大陸にまつわる歴史、とりわけモンゴル帝国とその影響の話がなかなか面白かった。他に日中関係をとりあげた『この「厄介な国」中国の過去と現在』『「日中友…

逆検定中国国定教科書―中国人に教えてあげたい本当の中国史

中国の教科書はこんなことを教えてるんだぞ!という本。朝鮮系ではあるが中国人との共著なので、反日教育の実態がわかって面白い。 まず基本中の基本として、中国(の共産党)は歴史を大切にしていない、歴史は自分たちのために利用するもの、というスタンス…

織田信長合戦全録

題名通り、織田信長の生涯を通した戦いの記録。著者は信長の家臣について詳しいのであまり名前の残らなかった簗田広正や坂井政尚、塙直政なんかも含めた家臣の働きについても詳しく載っていて満足。ただしそれが何に対して満足なのかは自分でもよくわからな…

日本史の一級史料

史料編纂所に勤める筆者のこれまでの研究成果を使った歴史史料の紹介。実際にどんな活動をしているか等はなかなか勉強になるが、日本史全体の中でも一級と呼ばれる史料はどんなものか?という読む前の私の期待には「一級二級の別は個人的なもの」とか「二次…

日本の城 封印された真実

城にまつわる秘話を集めた一冊で、初めて聞く話も多かったが特に封印された真実は見当たらなかった。日本の「城」封印された真実 (KAWADE夢新書)作者: 中山良昭出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2009/04/24メディア: 新書 クリック: 1回この商品を含む…

日本史怖くて不思議な出来事

土蜘蛛の話と両面宿儺の話は面白かった。なぜか妖怪については「なにかの間違い」で、空から落ちてきたものは全て「宇宙人」として解決している作者も面白かった。日本史 怖くて不思議な出来事 (PHP文庫)作者: 中江克己出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 19…

日本の歴史を読みなおす(全)

これまで日本の歴史をみる上で見過ごされがちであったマイノリティなもの(男に対する女、農に対する商etc)について、13世紀頃に日本におきた現代へと至る価値観の転換に絡めて語った一冊。どれも刺激的な内容だが、中でも百姓と農民はイコールではなく、…

本能寺の変

戦国時代最大の事件である本能寺の変について、時系列を追って解説する本。それだけ?と思うほどそれだけ。著者の説で目新しいことといえば太閤記などでは「毛利方への密使が捕まった」ことにより秀吉に情報が伝わったとされている点が、光秀は「秀吉に助力…

法隆寺の謎を解く

法隆寺のなぞ、と聞けば蛙の話とか五重塔の鎌とか濡れ石とかいろいろあるわけですがこの本では中心を柱でふさいだ中門の話がメイン。結局仏教の古い様式が残っているのが法隆寺、という。他に五重塔の説明も面白かった。後半は建築の話ばかりだったが、伊勢…

捏造の世界史

ジャック・ザ・リッパー、ナチの残党、ケネディ暗殺、ハワード・ヒューズの遺言などにまつわる捏造事件について、なぜ捏造されたのか、なぜ当時の人々は騙されたのか、という本。ハワード・ヒューズについては当人の話も含めてまったく知らなかったので面白…

偽書「武功夜話」の研究

台風で壊れた土蔵から出てきたという登場からして胡散臭い書物「武功夜話」は、信長・秀吉に仕えた前野家の聞き書きという設定で書かれた偽書に違いない!という本。秀吉の墨俣一夜城(「武功夜話」はこの辺について詳しく書いてある)の記述は築城術からし…

名城と合戦の日本史

戦国時代から幕末までの城を舞台にした合戦のダイジェスト本。一応日本史の流れとともに語られていてそれなりにマイナーな合戦も取り上げられているが、あまり深く突っ込んでいない。もう少し面白い話を期待していたのですこし残念。名城と合戦の日本史 (新…

戦国の城

城というと石垣に白壁がまぶしい天守閣を想像しがちだが、この本の主題はあくまでも『戦国の城』。江戸時代に完成される城のイメージよりも前の、土塁・板塀の城の話。なんと日本には大小合わせて5万以上の城があったんですよという驚きの導入から一気に読ん…

ヒロインの日本史

これは失敗。女性を中心に日本史を見るのかと思いきや、日本史に出てくる女性の教科書的な説明を100人分並べただけ。「ヒロインの日本史」でなくて「日本史に登場する女性たち100」ぐらいのタイトルがふさわしい。読んだ感じではこの著者はたぶん歴史好きじ…

史談蚤の市

歴史や歴史小説についての随筆。「石田三成型の人間」では最近評価の上がってきている石田三成に対して異様に手厳しく、それも従来の悪評とまた少し違った見方で新鮮だった。「歴史文学と時代考証」は、時代考証は創作のための用意であって、現代に置き換え…

徳川家に伝わる徳川四百年の内緒話

田安徳川家の現・当主が語る徳川家の内緒話、というほど裏話ではなくて、あくまでも著者が調べた話をベースに、最後の方にちょろっとだけ体験を交えた話が載っているエッセイぽい本。それでもあまり人口に膾炙していないような話もあって楽しい。徳川家に伝…

戦国の合戦

戦国時代の合戦について、これ一冊読めば丸わかり!という一冊。合戦の手順から作法まで細かく解説。後半は最近読んだ軍師の本と内容がかぶっていた。 こういう本を読んでいるとなんでこんなの読むの?とよく聞かれますが、自分でもよくわかりません。せいぜ…

明治百話 上・下

タイトル通り、幕末を経て突入した明治という新しい時代の四方山話。冒頭の首切り役人の話が印象に残った。明治百話 (上) (岩波文庫)作者: 篠田鉱造出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1996/07/16メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 9回この商品を含むブログ …

信長の親衛隊―戦国覇者の多彩な人材

信長の親衛隊―戦国覇者の多彩な人材 (中公新書)作者: 谷口克広出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1998/12/01メディア: 新書 クリック: 2回この商品を含むブログ (16件) を見る共に著者は「信長軍の司令官」の谷口克彦。この人の著作は細かい点まで調べてあ…

信長と消えた家臣たち―失脚・粛清・謀反

信長と消えた家臣たち―失脚・粛清・謀反 (中公新書)作者: 谷口克広出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2007/07/01メディア: 新書 クリック: 10回この商品を含むブログ (18件) を見る

戦国軍師合戦術

前前から気にはなっていた小和田哲雄の著作を初めて読んでみた。と思ったら前に読んだことがあった。 戦国時代の軍師というと竹中半兵衛などに代表される知恵袋的な軍師を想像するが、この本に出てくる軍師はもっと呪い師的な存在。意外な気がしないでもない…

東と西の日本史

東日本と西日本、現代ですらいろいろと異なることがあるんだから昔はもっといろいろあったんじゃないの?てかむしろ一つの国だったと考えるから無理があるんで、東と西では違う国といっても差し支えない状態だったんじゃないの?という思いつきからはじまる…