戦国軍師合戦術

前前から気にはなっていた小和田哲雄の著作を初めて読んでみた。と思ったら前に読んだことがあった
戦国時代の軍師というと竹中半兵衛などに代表される知恵袋的な軍師を想像するが、この本に出てくる軍師はもっと呪い師的な存在。意外な気がしないでもないが、考えてみれば中世が戦国時代の異端児・織田信長によって破壊されて安土・桃山時代を迎えるわけで、戦国時代に中世的な呪いの類が存在していたことは当然といえば当然なのである。
具体的には出陣の日取り・作法等だけでなく多種多様な物事について星の運行を見たり護符を作ったりお払いをしたりと、まさに「呪い師」という言葉がぴったりの存在だったらしい。個人的には築城に際して寺社等から転用された石材の話が大変興味深かった。

戦国軍師の合戦術 (新潮文庫)

戦国軍師の合戦術 (新潮文庫)