村上春樹

『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』村上春樹

新作が出ると聞いて、そういえば買ってあった村上春樹の『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』を読んだ。今回の作品は友達の輪から外された主人公が立ち直る過程で出来事の真相を究明しようとする、珍しくミステリ要素のあるお話であった。ただそれ…

大いなる眠り

大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)作者: レイモンドチャンドラー,Raymond Chandler,村上春樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2014/07/24メディア: 新書この商品を含むブログ (11件) を見る

翻訳夜話

翻訳者・柴田元幸が授業に村上春樹を呼んで、翻訳について、主語について、意訳について等々、翻訳にまつわる諸々を語りあった内容をまとめたもの。それぞれが訳したレイモンド・カーヴァー、ポール・オースターの短編が、原文付きで巻末に収録されていて面…

遠い太鼓

村上春樹のエッセイ。 ギリシャとかイタリアとかそのあたりの滞在記。『やがて哀しき外国語』のあとがきに『遠い太鼓』は第一印象で、『やがて哀しき外国語』では第二、第三の印象を書いたとあった。その伝でいくと私が好きなのは後者。第一印象をうまく伝え…

神の子どもたちはみな踊る

神の子どもたちはみな踊る (新潮文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2002/02/28メディア: 文庫購入: 22人 クリック: 427回この商品を含むブログ (357件) を見る

はじめての文学 村上春樹

村上春樹の短編集。はじめての文学 村上春樹作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/12/06メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 59回この商品を含むブログ (86件) を見る

やがて哀しき外国語

村上春樹のエッセイ。アメリカに住んでいた頃の話。 どうにも話のあわない人というのがいる。話題はすべて空回り。こちらから話題を振っても生返事。のれんに腕押し。糠に釘。どうせなら意見は異なってもいいから自分が興味を持てる話題を持つ人の話を聞きた…

グレート・ギャッツビー

翻訳小説を苦手とする人というのは結構多いようで、曰く文章を読んでも頭の中に映像として結ばれないらしい。そういうことはある。ただ翻訳小説をわりと好きなつもりの私からすると、翻訳小説には日本人が書く文章と同じようにストンと腑に落ちるものもある…

ノルウェイの森 (上)(下)

村上春樹の長編小説。すごくいまさらではある。 主人公は友達に死なれた喪失感を引きずる大学生。友人の彼女も同じくその死を引きずっており挙句精神に異常を来たし、結局自殺。友人の彼女にも引かれていた主人公だが、大学で別に明るい彼女を見つけ、主人公…

村上春樹、河合隼雄に会いにいく

村上春樹と河合隼男の対談。 コミットメントとデタッチメントということを考えると、適当な訳が見つからないけども平たく言えば関心/無関心、関係/無関係、とかそんなようなことになるのではないかと思う。なんでも平たく言えばいいというものでもないが、ち…

東京奇譚集

村上春樹の短編小説集。「偶然の旅人」「ハナレイ・ベイ」「どこであれそれが見つかりそうな場所で」「日々移動する腎臓のかたちをした石」「品川猿」の五作品。 作家が作品をどのような状態で書き、どのようなメッセージを託したか。このような疑問を抱くの…

1Q84

村上春樹の長編小説。 村上春樹は作品に全てのアウトプットを注ぎ込む。特設サイトで見た著者と読者のやり取りを読んだ上で『1Q84』を読み、そのように感じた。 著者は小説を書かざるを得なくなって書くという。自分の中に溜め込んださまざまな物事を吐き出…

世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

村上春樹の長編小説。 読めばなるほど「世界の終り」「ハードボイルド・ワンダーランド」であるのは良いが、主人公の好物が白いアスパラガスであるのはいただけない。私は白いアスパラガスがこの上なく嫌いなのである。ちなみに私の三大嫌いな食べ物はセロリ…

羊をめぐる冒険

村上春樹の小説。読んだ後に知ったが三部作の三であるらしい。凡庸な主人公・僕が羊をめぐる冒険をする物語。村上春樹の小説は毎度よくわからないというのが正直なところで、それでも普遍的なテーマらしきものがちらちらするのでたぶんよい小説なんだろう。…

はいほー!

村上朝日堂はいほー! (新潮文庫)作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1992/05/29メディア: 文庫 クリック: 27回この商品を含むブログ (54件) を見る

村上朝日堂

またもや村上春樹。これで家にあるものは全部読んだので村上春樹は終了、とするつもりだったが南房総が好きというくだりで不覚にも親近感が沸いてしまった。 小学校の時分に親が南房総に別荘を購入して以来、休みの度に出かけて行っては海に山に遊び、しかも…

スプートニクの恋人

「ぼく」の風変わりな女友達「すみれ」が年上の女性「ミュウ」に一目惚れして一緒に出かけた先で失踪した、という話。これだけ書くとわけがわからないが筋としては今までで一番わかりやすいかもしれないのでこれだけしか書かない私が悪いかもしれないことに…

ねじまき鳥クロニクル

失業中の主人公のもとから猫がいなくなったことをきっかけにおかしなことが起こり始め、挙句妻までが失踪し、主人公は妻を取り戻すために戦う。ざっくりとしたあらすじを書くとこのようになるがざっくりと書いても意味はわからない。事実をこまごまと並べた…

海辺のカフカ

15歳の少年の少し不思議な成長譚。丹波哲郎の『大霊界』ばりにこの作品を省略するとそうなるのではないかと思う(『大霊界』の場合は「死んだら驚いた」。心に残るキャッチコピーである)。さて大霊界はともかくこの物語は前半で伏線を張り巡らして話を膨ら…