世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド

村上春樹の長編小説。
読めばなるほど「世界の終り」「ハードボイルド・ワンダーランド」であるのは良いが、主人公の好物が白いアスパラガスであるのはいただけない。私は白いアスパラガスがこの上なく嫌いなのである。ちなみに私の三大嫌いな食べ物はセロリ、銀杏、そして白いアスパラガスである。
さて村上春樹の小説はいつも私/僕の冒険で、楽しい比喩を織り交ぜた描写で荒唐無稽な物語というのが定番である。ただ滅茶苦茶な中にメッセージが込められていて、読者は小説の中にそのメッセージや著者の少し偏った好みを見出して一喜一憂させられる。ファンタジー私小説。
この後に日本でもらった「1Q84」が控えているが、恐らく私の感想は似たようなものになると思う。それでも少し読みたいのが悔しい。