鉄鼠の檻

京極堂シリーズの4作目。
今回の舞台は戦後すぐの箱根。按摩に殺人を告白する坊主、山奥で見つかった謎の書庫、その近くの宿で見つけられた謎の坊主の遺体。そして謎の寺。これら全ての複線が禅を軸に収斂、解決する箱根連続僧侶殺人事件。字面に表すと抹香臭いが、出てくる坊主はほとんどが禅僧なので、そうでもない。
また第1〜3作の登場人物が出てきたりして楽しいのはいいのだが、細かいところは忘れてしまっていたので残念。1作目から巻を重ねるごとに薀蓄の山盛り具合も増えていき、腹一杯でげっぷまで出るような気持ちになりがちだったが、今回はそういうこともなかったので面白かったんだろう。おすすめ。

文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)

文庫版 鉄鼠の檻 (講談社文庫)