三津田信三

幽女の如き怨むもの

三津田信三の長編ミステリ。 十三歳で遊女となるべく売られた少女。"緋桜"と名付けられ、身を置いた世界は苦痛悲哀余りある生き地獄だった。戦前、戦中、戦後、三つの時代の謎の身投げの真相は"幽女"の仕業か、何者かの為せる業か。謎と怪異に満ちる地方の遊…

百蛇堂

三津田信三の長編ミステリ。 二つで一つの作品、というか、なぜ二つに分かれてるのかよくわからない。というくらいつながっている作品。嫌いではない。ずるずる。蛇棺葬 (講談社文庫)作者: 三津田信三出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/10/16メディア: 文…

蛇棺葬

密室の如き籠るもの

三津田信三の刀城言耶シリーズ短編集。 「首切の如き裂くもの」「迷家の如き動くもの」「隙魔の如き覗くもの」「密室の如き籠るもの」の四編。読み易いが物足りない。やはりこのシリーズの魅力は犬神家のように登場人物がややこしいぐらいの方がいいのかもし…

生霊の如き重るもの

三津田信三の刀城言耶シリーズ短編集。 「生霊の如き重るもの」「死霊の如き歩くもの」「天魔の如き跳ぶもの」「屍蝋の如き滴るもの」「顔無の如き攫うもの」の五編。若き日の?刀城言耶のサブストーリー的な短編はドロドロ感が少ないせいか印象が弱い。つま…

作者不詳 ミステリ作家の読む本(上)(下)

三津田信三の長編ミステリ。地方都市の片隅に広がる妖しき空間に迷い込んだ三津田は、そこで古書店「古本堂」を見いだす。ある日、親友の飛鳥信一郎を伴って店を訪れた彼は、奇怪な同人誌『迷宮草子』を入手する。その本には「霧の館」を初め、七編の不思議…

水魑の如き沈むもの

三津田信三の長編ミステリ。奈良の山奥、波美地方の“水魑様”を祀る四つの村で、数年ぶりに風変わりな雨乞いの儀式が行われる。儀式の日、この地を訪れていた刀城言耶の眼前で起こる不可能犯罪。今、神男連続殺人の幕が切って落とされた。 ミステリとホラーの…

山魔の如き嗤うもの

三津田信三の長編ミステリ。忌み山で続発する無気味な謎の現象、正体不明の山魔、奇っ怪な一軒家からの人間消失。刀城言耶に送られてきた原稿には、山村の風習初戸の“成人参り”で、恐るべき禁忌の地に迷い込んだ人物の怪異と恐怖の体験が綴られていた。 刀城…

首無の如き祟るもの

三津田信三の長編ミステリ。幽霊伝説の残る奥多摩にある「媛首村」で代々続く「秘守家」の当主候補が行う儀式で、思わぬ出来事が発生する。それから10年後、儀式の最中にまたしても思わぬ事態が発生する。 最近読んだばかりなのにもう結構前に読んだような気…

凶鳥の如き忌むもの

三津田信三の長編ミステリ。 密室状態の中での密室殺人という、形を変えてはいるが古典的な推理小説である。途中から結末が読めてしまったが、このシリーズは独特な雰囲気があって良い。凶鳥の如き忌むもの (講談社文庫)作者: 三津田信三出版社/メーカー: 講…

厭魅の如き憑くもの

憑き物筋云々の民俗学っぽいホラーとミステリが融合した作品。舞台や登場人物の名前が衒いすぎで少少読みづらいことを除けば、ホラー小説をほとんど読んだことがない私が言うのもなんだがホラーとしてもミステリとしても合格点。探偵役の頼りなさの表れとし…