骨が語る兵士の最期

一昨年末からウォッジェ環礁へ遺骨収容の手伝いに参加して、楢崎先生とお会いした。実は以前クワジェリン環礁で見つかった遺骨を焼骨した時にも来ていたらしい。
ということには後から名刺を整理していて気がついた。その先生の著書。先生は今年の2月にテニアンで遺骨収容中にお亡くなりになった。焼骨については過去の記事を参考に、と思ったら記事が無かった。さすがに内容がアレなので書かなかったのだろうけども、もう5年も前の話になるのでいいか。ご遺骨、燃やしました!思えばその頃から遺骨関連の仕事が増えているんだなあ。
それは良いとして、本の内容は先生が過去に参加した遺骨収容の話で、マーシャルについてミリ環礁の話とクワジェリン環礁の話が出てくる。クワジェリンの遺骨発掘現場の話はなかなか生生しい。折り重なるように埋まっていた遺骨から想像する、最期の場面はどうだったのか。読み物として面白いので、興味のある向きは是非。
先生から直接伺った話で面白かったのが、よく聞かれるんだけど、と前置きした上で「遺骨鑑定をやっていて幽霊を見たことはありますか?」という質問で、「見ることができたら『この骨はどこのどなたの骨ですか?』と聞きたい!」と仰っていた。もっともである。

 

2019年のまとめ

早いもので大晦日。今年は厄年?後厄?どちらか忘れたけどもそういう一年だというので、事あるごとに気をつけなさいと周りから言われた一年だったが、悪いことといえば2月に愛犬トラが亡くなり、夏前に携帯を水没させ、夏の一時帰国時に健康診断に引っ掛かり、12月に高熱を出した、くらいか。あ、家のフェンスに車が突っ込むというのもあった。

enamel.hateblo.jp

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トラは年が年だから大往生といえるのでやむを得ない。また精密検査の結果はなんともなかったので良かった。それをダシに一時帰国を2回できたのも良かった。そう考えるとそんなに大変なことも無かったか。なんにしても家族で健康でいられることはありがたい。事故の保険はまだ支払われていないけど。
仕事的な話では、あまり役に立たなかったおじさんAさんをクビにし、そのままサブマネージャーは不在。後任採用はことごとく辞退されるものの来年2月には着任予定。それから経理のあかねさんが任期終了で帰国、新たにIさんが着任。Iさんは意外と、と言ったら失礼だが、やるべきことをやってくれるし南の島への適応も問題ない様子。おかげでサブマネージャー不在にもかかわらず、なんとかなってしまった。
ブログ的な話では、ようやくはてなブログにも慣れた。2019年に購入したCDは5枚、読んだ本は23?冊。まだ10冊くらい感想を書いてない。見た映画は50本!こちらもあと何本か感想を書いてないが、久しぶりに増えた。amazonのおかげが大きい。
南の島では年末年始的な休みは無いので今も仕事中だが、なんとか無事に新年を迎えることができそう。これを読む奇特な方々も、よいお年をお迎えください。

 

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2019年の一枚。KISSのアロハを着たマー人。どこで売ってるのか、どうしてこれを選んだのか等、疑問は尽きない。

 

アントマン&ワスプ

監督:ペイトン・リード(2018 米)
出演:ポール・ラッドエヴァンジェリン・リリーマイケル・ダグラス

元泥棒で離婚歴もあるアントマンことスコット・ラング(ポール・ラッド)はFBIの監視下にあり、最愛の娘ともなかなか会えずにいた。ある日、新型スーツでパワーを手にしたワスプことホープヴァン・ダインエヴァンジェリン・リリー)と、アントマンスーツの開発者ハンク・ピム博士(マイケル・ダグラス)が彼を訪ねてきてスコットに助けを求める。(yahoo!映画より)


「アントマン&ワスプ」MovieNEX 予告編

 シビル・ウォーから二年がたち、アントマンの自宅軟禁ももうすぐ終わる頃の話。可愛い娘は9歳になり、前作では対立していた元嫁の旦那ともすごく仲良くなっていたり、ルイスたち三人組は会社を起業していたりと続編ならではのいろいろな変化が楽しい。主人公の愛娘は9歳に成長していて、相変わらずパパ大好きの良い子であった。冒頭の屋内手作りアドベンチャーは、アレ作るの大変だろうなと、ちょっと別目線で見てしまった。
 前作で話に出ていた博士の妻の救出と、それを邪魔する博士の技術を狙う悪者2グループが絡み合うストーリー。そのヴィランの片割れである、博士の研究のせいで大変なことになった女・ゴーストが、そのあわれな事情が明らかになってもあまり同情する気にならず、勝手にゆらゆらしとけよ、くらいにしか思えなかったのはなぜだろう。博士のせいだと思ってるけど実は自分の父親のせいだから?我儘勝手を許さない日本人としては博士の妻に治してもらった後にみんなを助けるために犠牲になるくらいしないと評価は上がらない。
 その博士の妻はゴーストの不安定な量子を安定させてしまうとかわけのわからないことをやってしまうが、量子の世界に30年滞在という時点でわけが分からないから、そのくらいできちゃうんじゃない?というアメリカ的な大雑把さを感じる。

 

アントマン

監督:ペイトン・リード(2015 米)
出演:ポール・ラッドエヴァンジェリン・リリーマイケル・ダグラス

仕事や人間関係がうまくいかず、頑張ろうとすればするほど空回りしてしまうスコット・ラング(ポール・ラッド)。別れた妻が引き取った娘の養育費も用意することができず、人生の崖っぷちに立たされた彼のもとにある仕事が舞い込んでくる。それは肉体をわずか1.5センチに縮小できる特殊なスーツをまとい、正義の味方アントマンになるというものだった。スーツを着用した彼は、ヒーローとして活躍するために過酷なトレーニングを重ねていくが……。(Yahoo!映画より)

元泥棒がスーパーヒーローになるアントマン。基本的には娘のために頑張るお父さんで、三枚目の役どころだが金庫破りの時などはさすがの活躍を見せていた。あとドラムも叩ける。それでも他のヒーローに比べてインパクトが弱いのが泣き所だが、そこは主人公の仲間の3人組(ルイス、カート、デイヴ)が補っていたように思う。特にルイスの話芸は良かった。
父親と娘の絆というのはアメリカ人に指摘されるまでも無く重要なもので、特に相手が(アントマンで描かれる)5~6歳の娘であれば尊いことこの上ない。うちの娘も昔はパパ、パパと言っていたものだが今では・・・。いや大きくなっても可愛いんですけどね。ピム博士とその娘ホープもまた父親と娘の関係で、その絆は形を変わるだけで尊いものではある。しかしとにかくある程度期間が限定されるというか、幼い娘は特別!と思うのは私だけではあるまい。これは娘を持つ父親を狙った設定で、つまり抜け目ないぜマーベル。

 

2019年、読んだけど感想をまとめてない本の一覧

この一年で 読んだけども様々な事情(主に怠惰)から感想を書くに至らなかった本の一覧をまとめて掲載してそのうらみを昇華させる。

改訂新版 文庫 時計の針はなぜ右回りなのか (草思社文庫)

改訂新版 文庫 時計の針はなぜ右回りなのか (草思社文庫)

 

 時計にまつわるエッセイ。ちなみに右回りなのは日時計から来ているから。 

 

中国五千年 性の文化史 (徳間文庫)

中国五千年 性の文化史 (徳間文庫)

 

纏足について詳しい。 

 

孤独の科学 (河出文庫)

孤独の科学 (河出文庫)

 

 孤独でいると良いことないよということを冗長に解説。

 

天皇陵の謎 (文春新書)

天皇陵の謎 (文春新書)

 

 なにが謎と言って誰が埋葬されてるかわからないんだから謎だらけである。天皇陵の図があってわかりやすかった。ちなみに天皇陵の発掘は、どこかの国が文句つけてくる可能性がある限り、行われないでしょう。

 

ヨーロッパ退屈日記 (文春文庫 131-3)

ヨーロッパ退屈日記 (文春文庫 131-3)

 

 伊丹十三のヨーロッパ滞在記。監督としてより俳優として有名だった時期もあるんですね。

 

ピクニック・アット・ハンギングロック (創元推理文庫)

ピクニック・アット・ハンギングロック (創元推理文庫)

 

 ハンギング・ロックにピクニックに行く話。終始暗かった。特にひねりはない。

 

戦国夜話 (新潮新書)

戦国夜話 (新潮新書)

  • 作者:本郷 和人
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/04/15
  • メディア: 新書
 

 関ケ原前後の一部の武将の動きについて詳しい 。

 

奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語

奇書の世界史 歴史を動かす“ヤバい書物”の物語

 

有名無名いろいろあって面白かったが、そんなに“ヤバい書物”ではなかった。

 

骨―日本人の祖先はよみがえる (1960年)

骨―日本人の祖先はよみがえる (1960年)

 

実家にあった本で、骨の権威(たぶん)である著者による骨にまつわる読み物。実に面白い。 需要があるかどうか不明だが、目次は以下。

・北京人類の発見

・日本の洪積世人類

・人を食った話

・先史時代の戦い

・日本人の身体の歴史

中尊寺のミイラ

・鎌倉の人骨群

・磯部の首塚

石田三成の頭骨

・宮城内から発掘された人の骨

・徳川将軍の墓

・バラバラ事件の骨