海で転んで携帯を水没させてしまった話

南の島滞在14年目にして釣りを始めた。釣りといってもボートを出してイェーイ!というわけではなく、家の裏で釣り糸を垂らして一喜一憂するだけなのだが、なかなか楽しい。魚のことだけを考えて、他のことが頭から追い出されるのが良いようだ。他にやることも無いので、週末になると家の裏で釣りをしている。
家の裏はすぐのところまで珊瑚礁が迫っているので、狙う魚を釣り上げるには釣り針をこの珊瑚に引っ掛けないよう、できるだけ遠くに飛ばす必要がある。必然釣り姿は海パンにTシャツといつ濡れても大丈夫な格好で、足元は水に洗われた状態となる。そして投げる度にもう少し沖へと、そろりそろりと深みにはまっていき、気がつけば腰までつかっていることも珍しくない。

 

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根がかりを誘う珊瑚たち

一方肩から下げた鞄にはエサや針の他にいつ仕事の電話があるかもしれないから、いつ写真を撮りたくなるかもしれないから、と携帯電話も入っていた。Xperia XA。これがいけない。二兎を追うものは一兎をも得ず。釣りをするなら釣りに集中するべきなのである。上空にユナイテッドの飛行機が飛んできたので、これを撮影しようと携帯を取り出し、撮ったまでは良かったがバランスを崩して海の中で転んでしまった。

 

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写真はきれいに撮れたが。


私と共に海に沈んだ携帯は「ブーーーー」と瀕死のバイブレーションにボディをうならせた。Xperia XA最期の咆哮である。そして電池を使い切るとそのまま動かなくなった。下の写真が最期の一枚。空はどこまでも青かった。

 

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空はどこまでも青かった。


そしてこの度、ようやく代わりの携帯電話が届いた。Xperia XA1。釣るなら撮るな、撮るなら釣るなの心意気で、もう海中には持っていかないことをここに誓う。