闇に浮かぶ絵

妻の死んだはずの元・婚約者が現れた。彼は本物なのか?妻は現在の夫と元・婚約者、どちらを選ぶのか・・・というロバート・ゴダードの長編ミステリ。
このところゴダードの小説ばかり読んでいるような気がするが、無茶苦茶面白いというわけでもない。この作品だって詰まるところ妻がどちらを選ぶのか、という点に読者の興味は集約されるのではないか。そうであるとわかっていながら伏線を読まされているような気になるので、一口に言えば食傷気味。おなかいっぱい。驚きの展開もあるにはあるのだけれども、主な物語はダチョウ倶楽部の押すな押すなというアレと大差ない。それでも読んでしまうのは20世紀初頭の英国の雰囲気が好き、というだけでなく、悔しいけれどもまあ面白いということなんだろう。
とにかく今回のヒロインである妻コンスタンスはなんだかいけすかなかったので感想もなんだか投げやりだが、娘の名がペイシェンスというのだけは納得できた。悔しいのでおすすめはしない。

闇に浮かぶ絵〈上〉 (文春文庫)

闇に浮かぶ絵〈上〉 (文春文庫)

闇に浮かぶ絵〈下〉 (文春文庫)

闇に浮かぶ絵〈下〉 (文春文庫)