2011-10-21から1日間の記事一覧

闇に浮かぶ絵

妻の死んだはずの元・婚約者が現れた。彼は本物なのか?妻は現在の夫と元・婚約者、どちらを選ぶのか・・・というロバート・ゴダードの長編ミステリ。 このところゴダードの小説ばかり読んでいるような気がするが、無茶苦茶面白いというわけでもない。この作…

横溝正史の短編集。いずれも金田一作品。 少し飽きてきたのは猟奇事件ばかりでその猟奇っぷりが派手さを演出するための衒いのように感じるから。地味で構わないのでもっと日本の田舎に残る古い習わしやら因習やらを盛り込んだ(少なくともそのように見える)…

思いがけない話

古今東西の「思いがけない話」を集めたちくまの短編集。 収録作品は室生犀星「夜までは」、O・ヘンリー「改心」、モーパッサン「くびかざり」、F・ブウテ「嫉妬」、ゴーゴリ「外套」、チェーホフ「煙草の害について」、T・F・ポイス「バケツと綱」、P・ルイ…

いつのまにやら本の虫

出久根達郎のエッセイ。 古本屋を生業とする著者のエッセイには当然たくさんの蔵書を抱える人たちが出てくるのだが、もっともたくさんの蔵書を抱えているのは古本屋自身である。という話はどこかで読んだような気もするが、確かにそう思えるほどに著者の本、…

踊るひと

出久根達郎の短編集。 最近は字を書く機会が減ってきたので、たまに自分が書いた字を見るとその汚さにぞっとする。文字を書くかわりにパソコンで入力した書類やメールを使うようになったが、汚い字にかわって誤字脱字が増えた。きれいな文章を書くには読み返…