夏目漱石

もっと厭な物語

厭な話、バッドエンドを集めた短編集。 海外の話は向こう岸の話という安心感がある。またその背景などがぼんやりと感じられたりするので、やはり日本の話の方がくる。対岸の火事とはうまいことを言う。そういう意味で「皮を剥ぐ」がベスト。いやこの場合ワー…

漱石初期三部作の三。 『三四郎』で嫁に行った女性を『それから』で奪い返した主人公は『門』に至って自らの過去の影を引きずりながらもその妻と寄り添って日日を過ごしている。そして時間の経過によって薄れていくと思われたその影は、友人の登場によって主…

それから

主人公・代助は実家から仕送りをもらい、労働を拒否して生きているいわゆる高等遊民で、友人が(公金横領に巻き込まれたか何かで)地方から帰ってきたことで、かつて愛していたその妻である三千代への愛情が再燃、そのために葛藤し、最終的には実家からの援…

三四郎

いわずとしれた夏目漱石の青春小説。美禰子の「無意識の偽善者」というのはハムレットでいう「汝の名は女」に近いものがあるけれども、漱石の指摘はそれよりも女性に対して少しだけ優しいように思う。あと三四郎が新しい時代に乗り遅れることへの危機感とそ…

坊っちゃん

私が通っていた高校には課題図書という各期毎に読まなければいけない本があり、定期考査の折には読んだかどうかを確認する問題が出題されていた。課題となる本をどう決められていたのか知らないが、国語科教師たちは卒業までに夏目漱石の全作品を読ませよう…

吾輩は猫である

夏目漱石のデビュー作。これだけ有名な小説もなかなかないと思うが一応あらすじは猫が飼い主の苦沙味先生とその周りの人人を観察する話である。この猫がどこで身につけたのかちゃんとした教養を身につけていて、猫なりに解釈した人間というものをしっかりと…

こころ

高校生の時分に現代文の課題として1年間勉強したはずの夏目漱石の「こころ」を久しぶりに読んでみたら3時間で読み終ってしまった。それだけ面白いというか、上・私と先生の出会い、中・途中経過、下・先生の告白という三段からなる話が読者をひきつけるべく…