もっと厭な物語

厭な話、バッドエンドを集めた短編集。
海外の話は向こう岸の話という安心感がある。またその背景などがぼんやりと感じられたりするので、やはり日本の話の方がくる。対岸の火事とはうまいことを言う。そういう意味で「皮を剥ぐ」がベスト。いやこの場合ワーストか。恐怖の距離感とでもいうか、やはり同じ怖いなら身近な方が怖い。怖いじゃなくて厭か。
収録作品は以下。
夏目漱石夢十夜』より「第三夜」
エドワード・ケアリー「私の仕事の邪魔をする隣人たちに関する報告書」
氷川瓏「乳母車」
シャーロット・パーキンズ・ギルマン「黄色い壁紙」
ルフレッド・ノイズ「深夜急行」
スタンリイ・エリン「ロバート」
草野唯雄「皮を剥ぐ」
クライヴ・バーカー「恐怖の探究」
小川未明「赤い蝋燭と人魚」
ルイス・バジェット「著者謹呈」