三四郎

いわずとしれた夏目漱石の青春小説。美禰子の「無意識の偽善者」というのはハムレットでいう「汝の名は女」に近いものがあるけれども、漱石の指摘はそれよりも女性に対して少しだけ優しいように思う。あと三四郎が新しい時代に乗り遅れることへの危機感とそうすることへの躊躇いに挟まれて動けなくなっているように見えて、若者らしいといえば若者らしい。
いずれにしてもシェイクスピアとかを読むよりは、漱石を読んだ方が親近感もあるしわかりやすいように思う。それとこれとは別、もしくは比較するという向きにはそれでいいのだけれども。

三四郎 (角川文庫)

三四郎 (角川文庫)