ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー

監督/脚本:ジェームズ・ガン(2014 米)
自らスター・ロードと名乗るトレジャーハンターのピーター・クイル(クリス・プラット)。ピーターは無限の力を持つパワーストーンのオーブを入手するものの、その後逮捕され刑務所にぶち込まれてしまう。ピーターは天才メカニックのロケットら刑務所で出会った仲間と脱獄するも、オーブの力で宇宙を滅亡させようとする強大な悪と戦うこととなり……。(Yahoo!映画より)
 アベンジャーズで「知らない連中が活躍している!」と思った人たちメインの映画。70-80年代の音楽が印象的である。サノスもここから登場している。アベンジャーズが途中から宇宙に出てSFらしさを増すのは彼らが原因と思われる。
 子供の頃にさらわれた地球人、アライグマ、敵の娘、入れ墨、木と、メンバーは大変個性的、問題解決策もまた個性的(ダンスで気をそらすとか)で面白いが、よその惑星等がガッツリと描かれたSF世界ではまずそっちが印象的だし、基準もどこにあるのかわからないので彼らの印象もだいぶ薄まって見える。
 最期の場面ではまたもや次回作へと引きずる謎(クイルは地球人ではない!?)が提示されて劇終。もっとも宇宙船にさらわれる子供は多くはいないので、それが地球人でなくても驚きはしない。むしろグレン・クローズが出演している方が驚きである。

昔話と日本人の心

西洋の昔話が女性を結婚して幸せに暮らしました、というハッピーエンドが多いのは、意識的に困難を乗り越え勝利と共に伴侶(もしくは他の物)を得て確立する父権的自我である、というノイマン*1の説を踏まえ、文化的な違いを考えてこれに対する「女性的な目」で日本文化を考えよう、という河合隼雄の本。日本の昔話に登場する様々なタイプの女性を取り上げて日本の昔話を解説している。
西洋の場合、人と自然との一体感を断ち切った後で、人は前とは異質なものとなった自然の一部を自然に統合することによって全体性の回復をはかるのに対して、日本の場合は、人と自然との一体感を一度断ち切りながらも、前とは異質となった自然に変えることによって全体性を回復する。
(中略)
西洋にしろ日本にしろ、自我を成立せしめる背後に必ず存在する「知る」ことの痛みは、西洋の場合は原罪の意識として記憶され、日本の場合は、あわれの感情として保存されることになり、両者の文化をつくりあげてゆく基調をなすものとなったと思われる。

 河合隼雄は対談とかではやさしそうなのだが本はなかなか難しい。丁寧すぎて読みづらいところもある。後半は三位一体の話とか出てきて、寝る前に読むには難しかった。ただくそ真面目を装いつつ

ここで、テーマを変えて、性器の露出について考えてみることにしよう。

 とか言い出すので、気が抜けない。

昔話と日本人の心

昔話と日本人の心

 

 

*1:エーリッヒ・ノイマン(Erich Neumann, 1905年1月23日 - 1960年11月5日)はユダヤ系ドイツ人でユング派の心理学者、精神分析家。/Wikipediaより

骨が語る兵士の最期

一昨年末からウォッジェ環礁へ遺骨収容の手伝いに参加して、楢崎先生とお会いした。実は以前クワジェリン環礁で見つかった遺骨を焼骨した時にも来ていたらしい。
ということには後から名刺を整理していて気がついた。その先生の著書。先生は今年の2月にテニアンで遺骨収容中にお亡くなりになった。焼骨については過去の記事を参考に、と思ったら記事が無かった。さすがに内容がアレなので書かなかったのだろうけども、もう5年も前の話になるのでいいか。ご遺骨、燃やしました!思えばその頃から遺骨関連の仕事が増えているんだなあ。
それは良いとして、本の内容は先生が過去に参加した遺骨収容の話で、マーシャルについてミリ環礁の話とクワジェリン環礁の話が出てくる。クワジェリンの遺骨発掘現場の話はなかなか生生しい。折り重なるように埋まっていた遺骨から想像する、最期の場面はどうだったのか。読み物として面白いので、興味のある向きは是非。
先生から直接伺った話で面白かったのが、よく聞かれるんだけど、と前置きした上で「遺骨鑑定をやっていて幽霊を見たことはありますか?」という質問で、「見ることができたら『この骨はどこのどなたの骨ですか?』と聞きたい!」と仰っていた。もっともである。

 

2019年のまとめ

早いもので大晦日。今年は厄年?後厄?どちらか忘れたけどもそういう一年だというので、事あるごとに気をつけなさいと周りから言われた一年だったが、悪いことといえば2月に愛犬トラが亡くなり、夏前に携帯を水没させ、夏の一時帰国時に健康診断に引っ掛かり、12月に高熱を出した、くらいか。あ、家のフェンスに車が突っ込むというのもあった。

enamel.hateblo.jp

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トラは年が年だから大往生といえるのでやむを得ない。また精密検査の結果はなんともなかったので良かった。それをダシに一時帰国を2回できたのも良かった。そう考えるとそんなに大変なことも無かったか。なんにしても家族で健康でいられることはありがたい。事故の保険はまだ支払われていないけど。
仕事的な話では、あまり役に立たなかったおじさんAさんをクビにし、そのままサブマネージャーは不在。後任採用はことごとく辞退されるものの来年2月には着任予定。それから経理のあかねさんが任期終了で帰国、新たにIさんが着任。Iさんは意外と、と言ったら失礼だが、やるべきことをやってくれるし南の島への適応も問題ない様子。おかげでサブマネージャー不在にもかかわらず、なんとかなってしまった。
ブログ的な話では、ようやくはてなブログにも慣れた。2019年に購入したCDは5枚、読んだ本は23?冊。まだ10冊くらい感想を書いてない。見た映画は50本!こちらもあと何本か感想を書いてないが、久しぶりに増えた。amazonのおかげが大きい。
南の島では年末年始的な休みは無いので今も仕事中だが、なんとか無事に新年を迎えることができそう。これを読む奇特な方々も、よいお年をお迎えください。

 

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2019年の一枚。KISSのアロハを着たマー人。どこで売ってるのか、どうしてこれを選んだのか等、疑問は尽きない。

 

アントマン&ワスプ

監督:ペイトン・リード(2018 米)
出演:ポール・ラッドエヴァンジェリン・リリーマイケル・ダグラス

元泥棒で離婚歴もあるアントマンことスコット・ラング(ポール・ラッド)はFBIの監視下にあり、最愛の娘ともなかなか会えずにいた。ある日、新型スーツでパワーを手にしたワスプことホープヴァン・ダインエヴァンジェリン・リリー)と、アントマンスーツの開発者ハンク・ピム博士(マイケル・ダグラス)が彼を訪ねてきてスコットに助けを求める。(yahoo!映画より)


「アントマン&ワスプ」MovieNEX 予告編

 シビル・ウォーから二年がたち、アントマンの自宅軟禁ももうすぐ終わる頃の話。可愛い娘は9歳になり、前作では対立していた元嫁の旦那ともすごく仲良くなっていたり、ルイスたち三人組は会社を起業していたりと続編ならではのいろいろな変化が楽しい。主人公の愛娘は9歳に成長していて、相変わらずパパ大好きの良い子であった。冒頭の屋内手作りアドベンチャーは、アレ作るの大変だろうなと、ちょっと別目線で見てしまった。
 前作で話に出ていた博士の妻の救出と、それを邪魔する博士の技術を狙う悪者2グループが絡み合うストーリー。そのヴィランの片割れである、博士の研究のせいで大変なことになった女・ゴーストが、そのあわれな事情が明らかになってもあまり同情する気にならず、勝手にゆらゆらしとけよ、くらいにしか思えなかったのはなぜだろう。博士のせいだと思ってるけど実は自分の父親のせいだから?我儘勝手を許さない日本人としては博士の妻に治してもらった後にみんなを助けるために犠牲になるくらいしないと評価は上がらない。
 その博士の妻はゴーストの不安定な量子を安定させてしまうとかわけのわからないことをやってしまうが、量子の世界に30年滞在という時点でわけが分からないから、そのくらいできちゃうんじゃない?というアメリカ的な大雑把さを感じる。