英語のコツまたは英語がうまい人は引き出しが多いという話。

 私の海外生活も15年目。と聞いたら、さぞかし英語はペラペラなんだろうと思われるかもしれないが、これが来た時からあまり変わっていないから驚きである。自分でも驚くほど上手くなっていないという自覚がある。ただ慣れはしたので、英語を聞いてもひるまなくはなった。だって母国語じゃないし、という開き直りから、わからない時はわからないと言える。最近でははじめから相手の話をあまり聞いてない。大事そうなところだけ聞き直す。この方法は我ながら怠慢が過ぎると思うのでお勧めはしない。
 
 私のやり方では英語はうまくならないので上手い人の話をしよう。わが娘である。私より上手どころかペラッペラである。日本語も十分喋れる。漢字も頑張って覚えている。考える時、頭の中では日本語だったり英語だったりするらしいので、バイリンガルといってもいいと思う。あまり褒めると親バカになってしまうが、彼女と一緒に洋楽を聴いていると、ちゃんと意味も分かってるので驚く。ちょうど良い例が思いつかないが、私には耳に慣れてしまってカタカナで聞こえてしまっている歌も、彼女にはちゃんと英語で聞こえている。なんだかよくわからない歌詞を一緒に聞いても、こう言ってるのかな?と思い付くフレーズが単純に多い。同じ音を聞いても私がそこから思い出せる言葉の引き出しは少なく、彼女の引き出しは多いということである。だから英語をたくさん聞くというよりも、英語をたくさん頭に詰め込んでおく、というのが英語学習において正しいのではないかと思う。
 
 しかし、今更そんなに詰め込めるほど若くないという人も多いだろう。かくいう自分がそうなのでよくわかる。そういう人はある程度仕方がないとあきらめるよりほかない。それでも仕事はしなければならないので、わけのわからないお客がいれば英語で言って聞かせなければならない。口頭の場合は態度で大体伝わるので拙い英語でも用は済む。メールの場合は相手に伝わるよう、言葉を選ぶ必要はある。経験上、日本語と同じ言い方だと相手が理解できずに混乱することがある。できるだけ単純な文章で言いたいことを書いてからいろいろ付け足していく方が英語っぽくなったりする。ちょうど今日も政府関係者に怒りのメールを書いていたのだが、それはまた別の話。とにかくそんな感じで日々やり過ごしている。