3人の粗忽者とモンモランシーのテムズ川のぼり『ボートの三人男』ジェローム・K. ジェローム

 ジェローム・K. ジェロームのユーモア小説。男3人と犬一匹が、2週間かけてロンドンからオックスフォードまで川を上る舟旅。周辺の歴史・名所案内が詳しいが、不勉強のため興味を持てず。知ってる人が見たら面白いかもしれない。それぞれの登場人物の粗忽が笑いどころだが、今はそれだけで笑うのはなかなか難しい時代である。モンモランシーという犬の名前はよくわからないが好き。
 作品中「閘門(ロック)」というのがよく出てきて、水路の一里塚のような役割をしていたが、ロンドンに行ったときに何カ所かで見た。たぶん私が見たのはカムデンマーケット近くのそれで、中央に仕切りがあって川の往来を水門で仕切り、水の増減で船を上下させるエレベーターのようなはたらきをする。モンティ・パイソンのfish slapping danceをしていたような場所といえばわかるだろうか。
 船が通る時だけ稼働するのでいつも動くのを見られるわけではないが、これがいつまで見ていても飽きない。大好きな眺めである。日本で見たことないものだからかもしれない。どこかへ行きたいという希望の少ない私だが、これはまたいつか見に行きたい。