ハーメルンの笛吹き男―伝説とその世界 - Leave me alone so I can rock again

1284年6月26日に130人の子供たちが行方不明になったという歴史的事実について、残っている伝承、記録、ハーメルンという都市の成り立ち、当時のハーメルンの置かれた状況などを手掛かりに解明していく本。
中世ドイツという、私にとっては何も知らないとっつきにくい舞台ではあったが、当時の人々の置かれた社会状況、そしてそこからはみ出した被差別民の状況などを丁寧に（楽師たちがなぜ派手な格好をしていたのか、ということまで）説明しており、中世というぼんやりとしたイメージが少しづつ形を成していく感じが良かった。歴史研究とはこういうものか、という本。おすすめ。