椅子

お客さんがうちのお店で椅子を買っていった。売れたのはいいのだが数が足りなかったので、私が普段使っていた同じ型の椅子も配達することになった。いくら自分の席にいないことが多いとはいえ、椅子がないことには仕事にならない。止むを得ずその辺に転がっていた折りたたみ椅子(木製)を使うことにした。
しかしそこは所詮折りたたみ椅子のことである、すぐにお尻と腰が痛くなる。そこで他所から買ってくることに。他所といっても事務用の椅子を売ってるお店なんてうちの他には一軒ぐらいしかないのだが、とにかくその店に行って商品をチェック。これが高い。大したことのない座り心地で$150もする。$150なら日本から送ってもらっても同じくらいの金額でおさまる。
それならば日本から買った方が良いでしょう、と日本へ注文することにしたのだが、次の船便の到着は5月まで待たなければいけない。それまで折りたたみで我慢するのもどうかと思うので、キャッシャーのエルマが使っていた事務椅子と私の折りたたみ椅子を交換することにした。見つかると文句どころか引っ叩かれるのは確実なので、朝の早い時間にこっそり交換した。私のオフィスが個室になっているのも幸いした。
やはり事務をするなら事務椅子ですよ、と椅子の高さを自分にあわせ、ようやく落ち着いて仕事に取り掛かった。が、しばらくするとなんだか椅子が低いような気がする。また調節する。また低くなる。どうやら調節機能がいかれた椅子だったらしい。道理でエルマが文句を言ってこないわけだ。とりあえず5月まではこまめに高さを調節するしかない。