人間臨終図鑑(1)〜(3)

人間臨終図巻〈1〉 (徳間文庫)

人間臨終図巻〈1〉 (徳間文庫)

享年別に章分けされているので、当然最後の巻ともなると老衰やら病死やらが多い。ので、不謹慎な言い方かもしれないが若くして亡くなった人の話のほうが面白かった。何も持たずに産まれてきて、何も持たずに死んでいくわけだから帳尻は合うはず、と言われても死を前にしての対応は十人十色。当然ながら自分が死を迎える時のことを考えてしまう。
永遠に続くように思える自分も、いつか必ず死ぬことは産まれた時から決まっているのであって、「死」が非日常的に思えるのは「生」に執着するあまり「死」から目を背けている証拠なのではないか。まさに「滅せぬもののあるべきか」である。