サラ・ウォーターズ

夜愁

サラ・ウォーターズの長編小説。 1947年、ロンドン。第二次世界大戦の爪痕が残る街で生きるケイ、ジュリアとその同居人のヘレン、ヴィヴとダンカンの姉弟たち。戦争を通じて巡り合った人々は、毎日をしぶとく生きていた。そんな彼女たちが積み重ねてきた歳月…

黄昏の彼女たち

サラ・ウォーターズの長編小説。 1922年、ロンドン近郊。戦争で男手を喪い、母とふたりで暮らすフランシスは、生計のため広すぎる屋敷に下宿人を置くことにする。広告に応じたのは若い夫婦、レナードとリリアンのバーバー夫妻だった。家の中に他人がいる生活…

エアーズ家の没落

サラ・ウォーターズの長編小説。 没落中の英国貴族の屋敷に起こる不可解な出来事の顛末。『半身』『荊の城』と続き、サラ・ウォーターズには「前半退屈だけどすごいどんでん返しを用意している作家」というレッテルをつけていたので、なんとなく聞いたことの…

荊の城

サラ・ウォーターズのミステリ。 泥棒の娘が金持ちの娘の財産を横取りしようとお城に乗り込む話。20世紀初頭、同性愛、二転三転する話という点では『半身』と同じだが、主人公の一人が下町娘なのでその分勢いがある感じはするので読みやすいかもしれない。「…

半身

サラ・ウォーターズのミステリ? 19世紀ロンドンの貴婦人が監獄を慰問する話。読み始めは主人公である貴婦人の繊細な神経と退屈な毎日にこちらが参ってしまいそうになる。『千尋の闇』もそうだけども、私は19〜20世紀初頭のイギリスがなんとなく好きなのでそ…