人間のエゴと醜さを短くまとめた『脂肪のかたまり』モーパッサン

 モーパッサンのごく短い短編小説。印象的なタイトル。モーパッサン出世作だそうで。普仏戦争で占領地域から逃げようとして捕らえられたフランス人のグループを描いた物語。敵兵と寝ることで仲間の窮地を救った心優しい娼婦が救ったはずの仲間から蔑まれるという、正直者が馬鹿を見たと言ってしまうと救いがないが、短いながら人間のエゴと汚さをうまく描かれている。映画とかになりそうな話。