大事なことは『信長の野望』で学んだ

 仕事をしていると人の粗が目につく。粗と言っても他に迷惑がかからないことは良いのだが、周りに迷惑がかかるのは良くない。特にその担当者がいないと何もわからない状態にしておくのは下の下である。

 しかし自分に引き比べて考えてみると、私がいないとわからないという仕事は結構ある。私が物事を決定できるポジションにいるということを差し引いても、私でないとわからない、日本人スタッフでないとわからないと決めつけている仕事が少なくない。これでは人のことをとやかく言えない。私の仕事の目標である『楽をするために頑張る』を達成するためにも、仕事はすべからく他に丸投げされるべきであり、その基盤となる体制を作ることが私の仕事である。

 特定の人でないとわからない状況というのは、進捗状況や知識、その他の情報が共有されていないことが原因であることが多い。このところ、はっきり言ってこの辺りを怠けていた自覚がある。だって面倒くさいんだもん。

 しかしこれではいけない。私が永遠に元気ハツラツとしている保証はどこにもない。というより今後パフォーマンスが落ちていくことは約束されているのだから、面倒くさがらずに知る限りのことを書き連ねて周知(メール)しておき、誰でも対応できるようにしておかなければならない。人間一人でできることは限りがあるので、できる人にやってもらう。自分なしでできることを増やす。

 ここまで書いて何かに似てるなと思ったらあれだ、信長の野望だ。武将風雲録だったか天翔記だったか忘れたが、大名一人の行動力では限りがあるところを、配下の武将に他の城を任せてできることを増やす委任システム。必要なところだけ口を出し、あとは配下の行動力でルーチン作業をこなす。まさに私に必要なのはこれである。光栄すごい。なにも天下をとれなくても良いのである。現状維持で御の字。これまた戦国時代の信長以外の大名と同じ。意外なところで歴史から学んでしまったこころもちである。