へうげもの

以前から気になっていた漫画「へうげもの」が9巻まで届いたので読んだ。面白い。
まず舞台は誰もが憧れる戦国時代。しかも描かれるのは型にはまった戦国時代ではなく、安土城の内外装に比較的新しい情報が反映されていたり、武将たちが身につけている変わり兜は実在のものをモデルにしていたり、と戦国好きにはたまらない。また禁教令の契機となった日本人奴隷の話など、大小さまざまな戦国時代・武将にまつわるエピソードが盛り込まれているのもうれしい。なんというかこの辺の話はどれも今更珍しいものではなく知識としてはあったものだけれども、それをトータルで画にして見せてくれるところがうれしい。
今のところ秀吉ー利休のコンビによる信長暗殺説を軸に、「数奇」をテーマとして生きる古田織部を主人公に話が展開している。「数奇」「侘び」「寂び」というテーマは日本人なら一応誰もが知っているけどちょっと縁遠いものだが、小市民的な主人公を通して見ることでわかりやすく読めるのだと思う。古田織部の今後に期待。

へうげもの(1) (モーニング KC)

へうげもの(1) (モーニング KC)