おきもちの話

 花王が「美白」という旗印を取り下げたらしい。何事にもケチをつけてくる人が増えていて、いちいち対応するリスクを考えての対応なんだろうけども、はいそうですかと取り下げるのは企業を守る対応としてどうなんだろう。間違ってはいないかもしれないが、今まで「美白」の下に主張していたこと、それを良しとしていた顧客、すべてを否定するような印象が残る。自分たちは白の美しさを追及して云々とか、なんとでも言いようはあるだろうに。
 ハレとケという思想にもあるように、白がきれい、黒(もしくは白でない色)がきれいでないというのは一つの考え方であって、そこに黒人を差別しようという意思は微塵も入っていない。「とはいうものの、お前ではなし」である。差別される人たちの気持ちを考えろ!とわざわざ差別と結びつけて考える人たちこそ相手の気持ちを考えておらず、多種多様な文化の共存を叫ぶふりをしつつ多種多様な文化を否定しているといえるのではないか。相手のことを考えれば物事の大抵はうまくいくので、粗探しをするのではなくうまくいく方法を探るとよいと思います。