続・大統領からの招待状

例のパーティー当日、なぜか我が社の従業員が昼から浮き足立っており、理由を問い質してみると今夜のパーティーに行くらしい。おまえ招待状もらってないだろう、と言ってみましたがノープロブレムだという。とにかく仕事が終わり一度帰宅して概ね7時。招待状には7時半からとあるので急いでシャワーを浴びてコロンをたたく、いやコロンはたたきませんけれどもとにかくいそいそと準備をしていたら兄がそんなに急ぐ必要はないと仰る。いやだって開始時間は7時半て書いてありますぜ兄上。しかし8時でも早い、9時でいいんじゃないかと言うのでその時間にパーティー会場へ。ちなみに会場は大統領の自宅で、我が家から車で5分ぐらいのところにあるのでした。
さて会場に着くと従業員の言葉から予想はしてましたが人人人。2〜300人はいたんじゃないでしょうか。そのぐらいの人が入れる庭てのもすごいですがもっとすごいのは彼らは招待客ではないということ。彼らは招待されたわけでもないのに押しかけてただ飯にありつこうというわけです。それに対応して食事を用意している大統領もすごい。ちなみにパーティー会場は先述しましたが大統領邸の裏庭でして、庭に入ると先ずその招待されてない一般客の席が会場中央に向けてずらっと椅子だけ並べられており(一部テント有り)、中央には右手正面より張り出したステージがあります。ここにはあらかじめお祭りの露天で売っているような各種風船が飾られており、さながら子供の国といった様相を呈していました。ステージの反対側にはフードコート的なテントがあり大統領の身内なのか20人程が忙しく立ち働いていて、我我招待客の席はずずいと奥に入ってもう海ですよ大統領、という間際にテントが張ってあり机と椅子とドリンクが用意されてました。
席についてしばらくすると招待された他の日本人も三三五五集まってきましてさらにしばらく待っていると音楽の生演奏、と言っていいのかわかりませんが打ち込み+キーボードによる演奏と生歌、つまりカラオケにかなり近い感じですがとにかくBGM的な音楽が始まり、本日の主役である男の子+両親が招待客のテントを練り歩いてきたのでグダグダに挨拶をしておきました。その後、多分9時半をまわろうかという頃にようやく司会らしき人が進行を始め、主賓なのか招待側なのかわかりませんがかわるがわる挨拶だかお祝いの言葉だかを述べた後、神父さんのお話。当然ながらこの間全て現地語なので何を言っているのか一言もわかりません。わかりませんが神父さんの話が始まる頃にはなぜか子供たちがステージの回りに群がり始め、なんか有名な神父さんなのかなあと思っていたら最後の「アーメン」の一言が言い終わるか終らないか、というタイミングで子供たちはステージに殺到、風船の奪い合いが始まりました。首尾よく風船を数個つかんで逃げる子、とれずに泣いてる子、取れたのに更に他の子のを横取りしようとして大人に引っぱたかれてる子、色色いましたがとにかくなんていうか醜い。
さてその後は料理の準備ができたらしくようやくディナータイム。と言ってもビュッフェ形式と言いますか自分で取りに行くんですけれども、お皿は大皿小皿と2種類用意されており、私は直径約45センチはあろうかという丸い皿を選びました。ちなみにこれでも小皿です。大きい方はもうなんていうかお盆ですあれは。料理は当然ながらマーシャリーズフード、つまり何をどうやって作ったのかさっぱりわからない料理ばかりでしたが中にはさすが大統領と思えるような豪華なものや珍奇なものもありました。豪華という点では伊勢海老の丸焼きを真っ二つに切ったものが山積み(高さ約50センチ)になっていたり、丸焼きにされた仔豚を直に切って即皿のせ、等等がありました。珍奇な料理では、これは前にも食べたことはあるんですがヤシガニのボイル?確かミクロネシアぐらいにしか生息してなかったはずで、カラが分厚いですがやや脂っこいカニみたいな味です。それから亀。ウミガメの丸焼き。これ食べちゃっていいですかね?と隣に座っていた大使館の方に聞いてみたところ、文化だからねえ、と深いんだかなんだかよくわからないお返事をいただきました。その向かいに座っていた大使の方は周囲を憚らず「マズっ」と仰られてました。素直な方です。味の方は全体に思わず醤油くれ、と言いたくなるようなつまり味らしい味がないものと変に甘いものが多いようです。
で、そんな料理に一喜一憂していると中央ステージではダンスが始まりました。なにやら白いTシャツを着た若い男女が交互に並んで踊っており、おそらく民族的なものの応用なんでしょうが演奏は四つ打ちの打ち込みでした。その後小さい子供だけのダンスとかもうちょっと大きくなった子供たちのダンスとか、まあとにかくダンスばかりでしたが現地人はそれなりに楽しいらしく、歓声があがっておりました。あと食事中になんかお土産をもらったりして、まあ大したものではないのですがとにかくダラダラしていたら大使館の人たちは帰ってしまったので私たちも適当にフェードアウトして帰りました。ちなみに帰りは会場奥から出てくるわけですが、一般客がものすごく長い料理待ちの列を作っていて笑えました。