初トラックバック

私の場合、CD購入は1つの賭けとして捉えている節があって、試聴すらせずに購入することが多い。これは中学生の時分から変わらないが、そして今まで意識せずにそうしてきたことだが、よくよく考えてみるとCDという中学生には高すぎるものの購入に勝ったり負けたりしながら自分の音楽性というか鑑定眼というかそんなようなものを育ててきたつもりがあるからだ。そしてまたカセットに録音したものを聴いているぐらいでは音楽好きと言えないのではないかという不安があったからだ。
自分でCDを買うようになった当初というのは、確かHMVタワレコのような便利なお店はなかったと思う。あったとしても開店したばかりで海のものとも山のものともつかない店に入っていける中学生はいなかっただろう。U2すら置いていない町のレコード屋で洋楽を買うのは正に冒険だった。それでもまだ中古屋の多い高円寺で育った私は幸せな方だと思うが、当時至極通っぽかった中古屋に入り、カッコイイCDやお目当てのCDを見つけるのは楽しかったけれども難しいことだった。もちろんその為には自分なりの物差しがいろいろあって、例えばそれは雑誌に載るレビューであったり巷の評判であったり(最近は人の口に上るようなものは買っていないが)、とにかく自分が信頼できる他人の物差しを自分の尺度に変換して使っていたように思う。経済的に多少の余裕のできた最近では適当に当たりをつけ、まとめてamazonでぽちっと購入という昔の自分から見ればなんとも贅沢な購入方法になっているが、ハズせばガッカリ当たればラッキーという賭け的な面は今も変わらない。そして今でも暇があれば中古CD屋をうろついたりはするものの、そこはそれ昔は時間があり今はお金があるので現状に適応した対応であると思う。
話が逸れたが要するに今も昔もCDを購入することにはいろいろと自分なりに楽しみを見出している。そもそも大事なお金を使うのだからそのぐらい楽しまなければという気もある。大事なお金だからこそ検討して使うべきだという意見もあろうが、そこはとにかくB型人間のすることだからということでご理解いただきたい。とにかくCDを買うという暗い快感は、今でも私の中でかなり上位に入る娯楽の1つなのである。
しかし携帯電話と共に生まれてきた昨今の音楽キッズに同じ喜びを見出せというつもりもないし同じ喜びを見出せるはずもない。彼らは彼らでレンタルという手段もインターネットというツールも最初から装備済みなわけだから、それなりの楽しみ方があるだろうし何よりも音楽に対する認識も違うだろう。私はCDのコピーを手に入れることに喜びを感じなしいし彼らも私の暗い快感は理解できないだろう。それはどっちがイイというのでなく世代間ギャップであり時代の流れというものである。
そこで近頃話題に上るCCCDとか輸入権とか、世のリスナーをイラつかせる問題だが、そもそも作り手(notアーティスト)に音楽CDは購入するものでなくなってしまったという認識が欠けていることから発した問題であるように思う。個人が時流に乗り遅れるのは仕方のないことだが、業界そのものが乗り遅れるといろいろとバカなことを仕出かすというよい見本となってしまったわけだ。最先端でなければならない業界がコチコチの古い業界であったことから生じた悲劇。そんなことを思ったので初トラックバック。のつもりがやり方がわからなかったりする。URL貼るだけでいいの?
http://d.hatena.ne.jp/hirofmix/20040613