スティーヴン・グリーンリーフの長編ミステリ。
小さな出版社に置いていかれた原稿の作者を探す、という仕事を引き受けた私立探偵が過去の犯罪に巻き込まれる話。小説原稿から現実の犯罪の手がかりを得ていく、というのが基本方針だが、そのあたりに無理が無く読みやすかった。事件の真相もひねりが効いていた。
ところでアメリカのこの手のミステリはどういうわけか主人公が自分に酔っているものが多いように思える。分類すればハードボイルドになるんだろうか。
ものの本によれば、ハードボイルドというのは直訳すれば堅ゆで卵。感情に流されない、妥協しない強靭なキャラクターを表す言葉であるそうな。平たく言えば高倉健であり、昔の理想の男性像ということだろう。アメリカ人が好きそうなタイプではある。
- 作者: スティーヴングリーンリーフ,Stephen Greenleaf,黒原敏行
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1998/03
- メディア: 文庫
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