死の蔵書

ジョン・ダニングの長編推理小説。タイトルの通り、古書愛好家の刑事が古本業界の殺人事件に挑む話。ただ出久根達郎のような日本の古本屋とは少し趣が異なる。いや日本にも稀覯本を取り扱う古本屋はあるけども、物語は稀覯本の出所を巡って展開する。
事件が起きてからしばらくはマッチョな殺人課刑事による捜査なのでハードボイルド小説のようだが、起伏に富んだストーリーは読者を飽きさせず、気がつくと推理小説になっている。そんな感じ。ラストのどんでん返しも全うなもので、ミステリとしてもレベルは高い。続編もあるようなので読んでみようと思う。

死の蔵書 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

死の蔵書 (ハヤカワ・ミステリ文庫)