松本清張のミステリ。印象的だったのは登場人物がみな大人だったこと。
大人は子供の幻想である、というのは自分が大人と呼ばれる年齢になってみて初めてわかることの一つだが、この作品内ではその幻想が生きているように思えた。これはもしかしたら昭和限定の幻想なのかもしれないが、私が子供の頃に思い描いていた幻想がそのままだったので、なんだか驚いた。
ちなみにストーリーに関してはネタバレになるが、夫がなぜ結婚したのか理解できなかった。それも大人という幻想のうちの話かもしれない。
- 作者: 松本清張
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1971/02/23
- メディア: 文庫
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