司馬遼太郎の「項羽と劉邦」では描かれなかった楚漢戦争時の斉の田横とその周辺の話。同じ時代でも視点が変わると見方も大きく変わって楽しい。田横とその兄と従兄は人相見に「君たち王になるよ!」と言われ、まさかそんなと思いつつもそれが一応実現するわけだけれども、田横の場合は王というのにかなりきわどい状況だったので一人わかってる雰囲気を出していた人相見はそのぐらい教えてやれよと思った。
今まで宮城谷昌光の小説は「孟嘗君」「晏子」ぐらいしか面白いと思わなかったのだけれども今回は面白かった。この人の作品は作者自身が史記その他を読んで感動した話を読者に伝えようとしている、という感じがよくわかる。司馬遼太郎が人を通して時代を語るのに対して時代を通して人を語る感じ。
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