When The Levee Breaks
プレーヤーから流れた音楽を紹介するシリーズ。今なら暇な人が多いだろうから聴いてくれるだろうという期待を込めて。
When The Levee Breaks-Magic Slim/James Cotton
Led Zeppelinのアルバム4枚目のWhen The Levee BreaksをMagic SlimとJames Cottonでカバーしたというぜいたくな曲。ZEP版ももちろん大好きだが、このカバーもまた甲乙つけがたい良さがある。
この曲はもともと「Whole Lotta Blues」という、ZEPの曲をブルースっぽくカバーするアルバムに収録されている。他の曲はやたらと軽く現代的な感じで残念だが、この曲だけはきっちりとブルースにしつつもギターソロは激しく、控えめに言って最高。もっとも好きなギターソロの一つ。
ちなみに上記動画を探していたら、もともとMemphis Minnieが歌っていたブルースをZEPがカバーして、それをまた企画ものでカバー、というのが正しい様子。知らなかった。歌詞はミシシッピ大洪水について歌ったもので、シンプルにして意味深。ZEP版はシリアスでさらに意味深な感じだが、Magic Slim & James Cotton版はやたらと明るいため、「雨が降り続けたら、堤防が壊れるんやで~♪堤防が壊れたら、居場所がなくなるんやで~♪大変なんやで~♪」と、関西弁(適当)で訳すとしっくりくる感じ。
イエスタデイ
監督:ダニー・ボイル(2019 英)
出演:ヒメーシュ・パテル、リリー・ジェームズ、ケイト・マッキノン、エド・シーラン他
イギリスの海辺の町に暮らすシンガー・ソングライターのジャック(ヒメーシュ・パテル)は、幼なじみで親友のエリー(リリー・ジェームズ)に支えられてきたが全く売れず、夢を諦めようとしていた。ある日ジャックは、停電が原因で交通事故に遭遇。昏睡(こんすい)状態から目覚めると、この世には「ザ・ビートルズ」がいないことになっていた。(Yahoo!映画より)
もしビートルズが存在しなかったら?という設定のみで突っ走った映画。オアシスやコカ・コーラ*1など、ビートルズに関係あるもの、またその他(関係しないと思われるもの)にも存在しないものがあるのは良かった。もっともその辺の消えた理由について説明は特にない。そういう映画ではないからそこは良し。
説明がないと言えば、エリーがパッとしない主人公のマネージャーをしていることについても説明が少ない。エリーはジェニファー・ジェイソン・リーそっくりの美人だし、釣り合わなさ過ぎて裏に何かあるのかと思って見てしまった。幼馴染でそれなりにエピソードもあったので、もう少し早く説明してくれていたら座りの悪い気持ちにならずに済んだかもしれない。
物語は名曲「Yesterday」の歌詞を地で行くようになっていて、歌詞では「昨日に戻れたらいいのになあ」となっているところ、ジョンに会えたのがターニングポイントとなったのか、主人公は彼女のもとに戻ってハッピーエンドとなる。現在(Yesterdayに対してTodayとなっていた)のエピソード内の主人公は、浮ついた世界から現実に戻ったせいか、いくらか落ち着いていたように見えた。
エド・シーランは、おそらくビートルズ好きなんだろうと思わせる感じで好感が持てた。特に主人公のお父さんとの絡みが面白かった。主人公だけが面白くないんだよなあ。インド系を主人公にしたのは何故だろう?華がない彼と、それでも人気者になってしまうビートルズの偉大さの対比?そんな失礼なことはしないか。ビートルズは白人なんだし、白人のままでいいのに。有色人種への配慮ということもないと思うが、一人だけ浮いてるように見える。にもかかわらずそれでも彼にした理由は何なのか。気になる。
以上気になる点を先に述べたら結構長くなった。音楽ネタの真打ともいえるビートルズで、監督はダニー・ボイルで、ということを考えると期待値が高くなってしまうのはやむを得ない。が、ビートルズ好きならちゃんと楽しめる映画であることは間違いない。エリー可愛いし。
漂流記の魅力