おじさんはコミュ障で、コミュ障はおじさんなんじゃないかという話

本文とは関係ありません。最近食べた魚のフライ。半生だった。

 うちの会社は工場やら輸入やら観光のお手伝いやらといろいろやっていて、それに加えて現地従業員がいろいろと問題を起こしてくれやがるのでその対応とかもあり、貧乏暇なしというか、忙しい時は本当に忙しい。やることが幅広くたくさんあるのである。いろいろやっているのはよく言えば経営の多角化であるがその実は経営が苦しい時に色々やってみよう!と手を出した結果で、まあ結果は出ているので悪いことではないが全てをこのまま続けるのは難しいのでは?ということに最近気がついた。

 現在は経理は別として私が仕事の半分、というよりはもう少し多い7、8割くらいを担当していて、残りを他のスタッフ一人に任せている。将来的には彼に7割、私が3割くらいにしたいのだが、現在のスタッフで1年回してみたけどもあまり成長は見られず、どうも難しいようです。過去の例で言うと半年くらいで7割くらいやってくれていた人もいたけども、1年で4、5割くらいがアベレージというか合格点というか。ちなみに私が7、8割できるのは能力的に優れているからではなく、自分でやり方を決めたことがほとんどなのでやり方をわかっているから、そして長くやっているからであることは言うまでもない。

 まあそうはいっても彼との契約は残っているし、しかし私は私で楽をしたいので、さらにもう一人雇ってはどうかという結論に至った。一人でダメなら二人でやれば良いのである。仕事の量も増えてるし、たぶん大丈夫なんではないかな。もっとも、その場合も仕事を教えるという仕事は増えるので、私はしばらく楽はできない。

 ところで期待値をクリアできない彼の直すべき点は多くあるが、一番はコミュニケーションをとるのが下手な点で、いわゆるコミュ障というレベルだと思う。それが気分的なものか能力的なものかはわからないが、相手の気持ちがわからない、わかろうとしないというところが問題である。周りの人が合わせてくれるという王様でない限り、普通の人は相手の考えを慮って動く必要があるが、それをしない、できないのでコミュニケーションを十分にとれない。極端に言えば自分の言いたいことを闇雲に主張するだけになってしまっている。彼自身は傲慢ではないし悪い人でないことはわかっていても、毎度ピントのずれたことを繰り返されると周囲のやさしさも擦り減ってしまう。

 ちなみに周囲の人の気持ちがわからないということは、自分がどう見えてるのかを気にしていないということでもある。特にここでは私たちは外国人だし、ある程度身だしなみには気をつけるように言っているのだが、独り言は多いしおかしなリアクションは多いしいつも汗臭いしと、あまり話が通じている様子はない。すごく簡単にポイントアップにつながるので是非実践してほしいのだが、彼は今日も相変わらず変人ポイントを稼いでしまっている。

 こんなにいろいろ書くとコミュ障を悪く言っているようで心苦しいが、この文章の狙いはそこにはない。仕事をする上で困るのは本当だが、ここでくどくどと述べているのは「相手の気持ちがわからない」「自分がどう見えてるか気にしていない」というのは、コミュ障と見せかけて、実はいわゆる世で忌避される中高年おじさんの特長と同じなのではないかということに思いが至ったからである。そもそもコミュ障という言葉はここ10年で出てきた言葉だと思うが、世のおじさんたちはコミュ障だったのではないか?というのが私からの提言である。

 そうだったとしても、だから何?で済まされてしまいそうな話ではある。そもそもコミュニケーションがとれない彼も中年のおじさんと言っていい年齢だし。私としては他山の石として我が身に気をつけるほかないのだが、すぐ診断名つけて病気にしてしまう最近の動向に一石を投じることになれば(ならない)幸いである。どっとはらい