寅とさくらが契約夫婦に『白昼堂々』

監督/脚本:野村芳太郎(1968 日)
出演:渥美清倍賞千恵子藤岡琢也佐藤蛾次郎田中邦衛

 会社が倒産して途方にくれた渡辺勝次は、かつての仲間を呼び集める。勝次は昔スリ名人として名を轟かせた男で、彼のもとにはスリ仲間たちが続々と集まり、スリ集団が結成された。上京した一団はデパートに狙いをつけ、大がかりな万引きを繰り返すが...。(Filmarksより)


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 このところ、家族の一人はアメリカ旅行、二人は一足先に帰国で家には誰もいないので、一人でひたすら映画を見ていた。折よくU-NEXTで「男はつらいよ」を全部見れるということがわかったので、まだ見ていなかった(と思われる)作品を中心に10本くらい見た。と思われる、というのは、見ていなかったつもりだった作品を見てみたら内容を覚えていたりしたので。人の記憶はあてにならない。

 で、次にどの『男はつらいよ』を見るか探していたら、渥美清倍賞千恵子の麗しい2ショット写真の映画を見つけたので見てみた。松坂慶子の『女咲かせます』と同じ原作の作品らしい。

 主人公は渥美清、潰れた炭鉱部落でかつての仲間たちを食わせるべくいろいろと悪事を働く小悪党。倍賞千恵子はその悪党と契約結婚をするスリ。バツ2。とてもクールできれいだったが出演時間が少なかったのが残念。もう一人の主人公藤岡琢也は更生したスリという役どころで、かつての仲間に片棒を担がされつつ、家族と板挟みになりつつ葛藤していた。

 登場人物が皆苦しい生活をしていたり、部落で仲間たちがアイゴーアイゴーと叫んでいたりと、背景はなかなかブラックだが、渥美清ほか出演陣による底の抜けた明るさがあり、面白おかしくまとまっていた。特別おすすめはしないが、キュートな倍賞千恵子が見たい向きにはおすすめ。ただし出ずっぱりではないので期待しすぎないこと。