「海外留学はおろか地元の千葉からもほとんど出ない引きこもりの映画オタクが、ルーマニア語と運命的な出会いを果たし、一回も海外に行ったことがないままルーマニア文学史に名を残した話。」という本書についての説明書きがあったが、厳密にはそうではなく、「一回も海外に行ったことがないままルーマニア文学史に名を残した」著者のエッセイという方が正しいように思える。そのくらい「俺」が前に出てきているということでもある。著者の行動力には驚きつつも、基本的に衒学的、かつ「俺すげえ」という話なので読んでいて疲れる。正直ではある。
著者がルーマニア語の勉強に利用したという、Facebookでルーマニア人3000人に友達リクエストをしてルーマニアメタバースを作るという方法は、私も似たようなことをした(された)ことがあるのでわかるが、国にもよるが大抵の海外の人はそのくらい気にせず相手してくれるので成り立つ。ただそこから語学学習につなげるにはそこからゴリゴリ押し通していくパワーが必要である。
なお私の知人で外国語の習得が趣味という人がいたが、彼の方法はとにかくその国のエロチャットに入り浸っていれば大抵の言葉はすぐに覚えられるというやり方であった。興味がある向きは試してみると良いかもしれない。