橋爪大三郎と大澤真幸の対談。西洋社会の根幹をなすキリスト教について、わかりやすく解説してくれる一冊。キリスト教と言っても範囲は広いので何から何までとはいかないが、根本的な疑問についてはかなり応えられていると思う。以下面白かった内容を箇条書き。
- 一神教のGODは人間と血のつながりがない絶対的な存在(神が中心)であるのに対し、日本の神様は大勢いて人間みたいに仲良くすることができる、人間中心の存在。
- GODは人間と血のつながりがない=何を考えているかわからない、エイリアンである。そんなGODに身の安全を守ってもらうのが一神教。
- ユダヤとイスラム教は律法があるのに対し、キリスト教はあやふやだから新しいルールを作ることにためらいがない。
- 伝統的な多神教(古代に多い)は原始的なもので、これが異民族の侵入などで社会と共にぶっ壊されてぐちゃぐちゃになった後、統一されて一神教ができる。
特に最後のは日本の宗教観というか宗教の状況?を一口に説明していてすごく納得した。というわけで私の中で今年一番面白かった本に選ばれました。