いまいちピンとこなかった『ハンガー・ゲーム』

監督:ゲイリー・ロス(2012 米)
富裕層によって支配され、パネムという名の独裁国家と化したアメリカ。そこで民衆の絶大な支持と人気を集めているのが、各地区から選出された12歳から18歳までの男女が森の中で殺し合い、生き残った者に巨額の賞金が渡されるという殺人サバイバル「ハンガー・ゲーム」だった。まだ幼い妹がプレイヤーに選ばれてしまったカットニス(ジェニファー・ローレンス)は、彼女の代わりにゲームに出場することを決意。家族を養うための狩猟で鍛えた弓矢の腕と持って生まれた鋭い勘を生かし、強豪プレイヤーを打ち倒していくが……。(Yahoo!映画より)
 ジェニファー・ローレンスを見たことがなかったので見てみた一本。デストピアっぽい未来の独裁国家で、選ばれた子供が殺しあわなければならないゲームが『ハンガー・ゲーム』。『バトルランナー』と『バトル・ロワイアル』を足して二で割ったような二番煎じである。原作はそうは思われなかったのか人気らしいので、原作にある良いところを色々とカットしたのだろう。
 たとえば「観客に好印象を与えればお助けアイテムがもらえる」という「秘密」をサバイバルの先輩がこっそりと教えてくれる場面がある。極限のサバイバルにおいてはなかなか有効な情報だと思うのだが、傷薬かなんかをもらっただけでそれ以外には利用していなかった。きっと原作ではうまいこと利用されていたがおそらく映画においては利用する時間が足りなかったのではないかと推察する。
 また一人だけ生き残らなければならなかった設定がゲーム途中で二人になったりやっぱり一人に戻ったりと変更されるのも、スポンサーの反応などを理由にしていたがなんだか釈然としないところである。これも映画だから、と思ったがこれは原作も同じらしいので擁護する余地はない。独裁国家独裁国家らしくしてくれないと反応に困る。続編も(たくさん)あるようだけど多分見ない。