人間のイヤなとこばかりを見たい人にオススメ『悪魔はいつもそこに』

監督・脚本:アントニオ・カンポス(2020 米)
出演:トム・ホランド、ビル・スカルスガルド、ライリー・キーオ、ジェイソン・クラークロバート・パティンソン

 オハイオ州ノッケンスティフ。アーヴィン・ラッセルは自分とその家族を守るべく、亡き父にまつわるトラウマを克服しようとしていた。そんなアーヴィンの周りに邪悪な者たち―強盗で生計を立てるカップル、腐敗した保安官、俗世の欲にまみれた牧師―が集ったとき、世にもおぞましい惨劇が引き起こされてしまう。(Wikipediaより)


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 太平洋戦争でトラウマを植え付けられた男が国に戻り、両親から結婚相手をすすめられるが、別に運命の相手を見つける。家庭を作って幸せに暮らし始めた矢先に妻は病で亡くなり、その悲しみに耐えられず、子供を遺して男は自殺してしまう。一方で両親からすすめられた結婚相手は教会で別の相手(教誨師?)と結ばれるが、その男に殺されてしまう。その男は神の力を信じて妻をよみがえらせるつもりだったが、当然よみがえらなかったので呆然としつつも逃走、途中でヒッチハイクした車のイカレた強盗カップルに殺される。

 というところまでが前提という濃い映画。その後も残された子供たちが不幸な目にあって自殺して復讐して、と人間の嫌なところばかり煮詰めたような話。ハリー・ポッターのダドリー、セドリック、スパイダーマンのピーター・パーカー!という明るそうなキャスティングからは想像できないような陰鬱な雰囲気だった。ということは演技が良かったという事か。

 妻の回復を祈る夫、神の力を信じた教誨師、その妻、牧師の子供を妊娠した娘と、キリスト教にうらみでもあるかのように教会関係者は揃って悲劇的な最期を迎えるので、宗教的な意味合いもあるのかなと思ったが、他の登場人物も碌な最期を迎えてないので、そういう映画なのだと思うことにした。